病気の解説
グッドパスチャー症候群
別名:Goodpasture症候群、抗糸球体基底膜腎炎
緊急性の高い症状
この病気は急に悪化することがあり、医学的に緊急を要する状態とされています(MSDマニュアル家庭版)。次のような場合は、ためらわずに119番通報するか、すぐに救急外来を受診してください。
- 血の混じった痰が出る、血を吐くように咳き込む
- 息切れが強い、息が苦しくて横になれない
- 唇や皮膚が青紫色・灰色っぽくなっている
- 尿が急に少なくなった、むくみが急に強くなった
肺からの出血や腎臓の働きの急な低下は、短い期間で命に関わることがあります(MSDマニュアル家庭版)(全米腎臓財団)。
出典:MSDマニュアル家庭版「抗糸球体基底膜疾患」、National Kidney Foundation「Goodpasture Syndrome」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 健康診断などで尿に血や蛋白が出ていると言われたとき
- 疲れやすさ、だるさ、食欲の低下が続き、咳や息切れ、むくみも伴うとき
- 顔色が悪い、手足やすねがむくむなど、いつもと違う状態が続くとき
相談先は内科(腎臓内科や呼吸器内科など)です。血尿や咳はほかの多くの病気でも起こり、症状だけでこの病気かどうかを判断することはできません。血液検査や尿検査などで調べる必要があります。早く見つけて治療を始めることが、腎臓を守るうえでとくに大切とされています(全米腎臓財団)(MSDマニュアル家庭版)。
基本
グッドパスチャー症候群とは
グッドパスチャー症候群は、体を守るはずの免疫が誤って自分の肺と腎臓を攻撃してしまう、まれな自己免疫の病気です。肺や腎臓の細かい血管を支える膜(基底膜)に対する抗体ができることで起こり、「抗糸球体基底膜(抗GBM)病」とも呼ばれます(MSDマニュアル家庭版)。多くは肺の出血と、腎臓の働きが急に落ちる状態が組み合わさって現れますが、肺か腎臓の一方だけに起こることもあります(MSDマニュアル家庭版)。
主な症状
初めは、疲れやすさ、体の弱った感じ、食欲の低下など、はっきりしない症状から始まることがあります(全米腎臓財団)。
- 肺の症状:咳、血の混じった痰、息切れ。重くなると皮膚が青紫色になり、呼吸がうまくできなくなることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 腎臓の症状:尿に血や蛋白が混じる、手足のむくみ、血圧が高くなる、吐き気など(全米腎臓財団)。
- 全身の症状:出血による貧血で顔色が悪くなる、だるさ、発熱、体重の減少(MSDマニュアル家庭版)。
肺の症状が、腎臓の症状より先に出ることもあるとされます(MSDマニュアル家庭版)。
原因・なりやすい要因
なぜ自分の基底膜に対する抗体ができるのかは、まだ十分にはわかっていません。生まれつきの体質(免疫に関わる遺伝的な要素)に、周りの環境の影響が重なって起こると考えられています(全米腎臓財団)(MSDマニュアル家庭版)。
引き金になりうるものとして、喫煙、ガソリンやシンナーなどの有機溶剤の蒸気を吸い込むこと、ウイルスなどによる呼吸器の感染が挙げられています(全米腎臓財団)(MSDマニュアル家庭版)。
検査と診断
診断
- 血液検査で、この病気に特徴的な抗体(抗GBM抗体)があるかを調べます(全米腎臓財団)。
- 尿検査や血液検査で、腎臓の働きや貧血の程度を確かめます(MSDマニュアル家庭版)。
- 胸部のX線検査やCT検査で、肺の出血の様子をみます。出血がはっきりしない場合は、気管支鏡で肺の中を調べることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 診断を確かめるため、腎臓の組織を少し取って調べる検査(腎生検)が行われることがあります(全米腎臓財団)。
治療
治療
- 抗体を取り除く治療:血液から有害な抗体を除く血漿交換が行われます(MSDマニュアル家庭版)(全米腎臓財団)。
- 免疫を抑える薬:抗体が新しく作られるのを抑えるため、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬が使われます(MSDマニュアル家庭版)(全米腎臓財団)。
- 体を支える治療:酸素の投与、一時的な人工呼吸、必要に応じた輸血などが行われることがあります(MSDマニュアル家庭版)。
- 腎臓の働きが戻らない場合:透析や腎移植が検討されます(MSDマニュアル家庭版)(全米腎臓財団)。
日常生活の注意・セルフケア
治療中や治療後は、主治医の指示を最優先にしてください。
- たばこの煙や有機溶剤の蒸気を避けることが大切とされています(全米腎臓財団)。
- 腎臓を守るため、塩分を控えるなど食事の調整を勧められることがあります(全米腎臓財団)。
- 免疫を抑える薬を使っている間は、指示された通院や検査を続けてください。
経過と生活
経過
治療をしないと急速に進み、命に関わることがあります。一方、呼吸や腎臓の働きが大きく損なわれる前に治療を始められれば、経過は良いとされています(MSDマニュアル家庭版)。腎臓の傷みは元に戻りにくいため、早い段階での治療が腎臓の働きを保つ鍵になります(MSDマニュアル家庭版)。
リウマチ・膠原病内科で扱うほかの病気
出典
National Kidney Foundation「Goodpasture Syndrome」 / MSDマニュアル家庭版「抗糸球体基底膜疾患」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。