病気の解説

包虫症

まず相談する診療科感染症内科
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受診の目安

  • 健康診断や別の病気の検査で、肝臓や肺に袋状の影(のう胞)や、しこりのような影があると言われたとき
  • 右上のおなかの痛みや張り、吐き気が続くとき
  • 長引くせき、胸の痛み、息切れがあるとき
  • はっきりした理由のない体重減少やだるさが続くとき

相談先は感染症内科、または消化器内科・呼吸器内科です。受診の際は、犬やキツネなどの動物との接触、流行地域での生活歴や渡航歴を伝えてください。この病気は何年も症状が出ないことが多く(WHO)、症状もほかの病気と共通するため、症状だけで病名を判断することはできません。

基本

包虫症とは

包虫症(エキノコックス症)は、エキノコックスというごく小さな条虫(サナダムシの仲間)の幼虫が人の体に寄生して起こる病気です(CDC)。主に、袋状ののう胞ができる「単包性(のう胞性)」と、がんのように周りに広がる病変をつくる「多包性(胞巣性)」の2つの型があります(CDC)(WHO)。人は寄生虫にとって偶然の宿主にすぎず、人から人へうつることはないとされます(WHO)。

主な症状

単包性(のう胞性)

  • のう胞はゆっくり大きくなり、何年も気づかれないことがよくあります(CDC)(WHO)。
  • 肝臓にできるとおなかの痛み、吐き気、嘔吐、肺にできると長引くせき、胸の痛み、息切れが起こりやすいとされます(WHO)。
  • 脾臓、腎臓、骨、脳などにできることもあり、症状はできた場所によって変わります(CDC)。
  • のう胞が破れると、中の液体によって強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります(CDC)。

多包性(胞巣性)

  • 症状のない期間が長く続いたあと、主に肝臓に腫瘍のような病変がゆっくりできます(WHO)。
  • おなかの痛み、体重減少、だるさ、肝臓の働きが落ちたしるしなどが現れます(WHO)(CDC)。
  • 肺や脳に広がることもあり、単包性に比べて人にとってはるかに危険な型とされます(CDC)。

原因・感染経路

人は、寄生虫の卵が混じった食べ物・水・土を口にしたり、動物と直接触れ合ったりすることで感染します(WHO)。

  • 単包性:主に犬と羊などの家畜の間で寄生虫が受け継がれています。犬が感染した家畜の内臓を食べ、犬のふんで汚れた食べ物や水を通じて人に入ります(WHO)(CDC)。
  • 多包性:主にキツネなどの野生動物と、ネズミなどの小さな動物の間で受け継がれています。飼い犬や飼い猫が関わることもあります(WHO)。

単包性は南極を除く世界中でみられ、多包性は北半球の一部の地域に限られるとされます(WHO)。

検査と診断

診断

おなかの超音波検査が中心的な方法で、CTやMRIで詳しく調べることが多いとされます(WHO)。別の目的で撮った画像で偶然見つかることもあり、血液検査(抗体の検査)が診断の助けになります(WHO)。

治療

治療

  • 単包性:のう胞の状態(超音波でみた段階)などに応じて、手術、針を刺して中身を抜き薬を入れる処置、寄生虫に効く飲み薬、慎重な経過観察のいずれかが選ばれます(WHO)。
  • 多包性:早く見つけて病変をすべて取り除く手術を行い、その後に寄生虫に効く薬(アルベンダゾール)を続けることが基本とされます(WHO)。治療しなければ病気は進行し、命にかかわります(WHO)(CDC)。

経過と生活

予防

  • 犬や猫に触れたあと、また食べ物を扱う前には、せっけんと温かい水で手を洗います。子どもにも手洗いを教えます(CDC)。
  • 犬のふんで汚れているおそれのある食べ物や水を口にしないようにします(CDC)。
  • キツネなどの野生動物や野良犬、そのふんに触れないようにし、野生動物を家の近くに寄せつけたり、ペットとして飼ったりしないようにします(CDC)。
  • 飼い犬が野ネズミなどの野生動物や、家畜の内臓を食べないようにします(CDC)。犬の定期的な駆虫も対策の一つとされています(WHO)。

感染症内科で扱うほかの病気

出典

WHO(世界保健機関)「Echinococcosis」ファクトシート / CDC「About Echinococcosis」(症状・予防の各ページを含む)
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。