病気の解説
殺虫剤中毒
緊急性の高い症状
大量の汗やよだれ・嘔吐・縮瞳・けいれん・息苦しさがあるときは、ただちに救急(119)を要請してください(中毒110番も利用できます)。
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
誤って口にした・皮膚や目に付いた・吸い込んだときは、量にかかわらず受診してください。
基本
概要
有機リン化合物を主成分とする農薬や殺虫剤を体に取り込むことで起こる中毒です。人体への毒性は昆虫だけでなく人にも強いことがあり、塗布中や準備中の肌への付着、吸入、誤飲などさまざまな経路で起こり得ます。急性期には涙、鼻水、呼吸困難、瞳孔の収縮といった症状が現れ、重症になると嘔吐やけいれんなど全身の障害へつながることがあります。急性以外にも曝露後に遅れて症状が出るケースや後遺症の報告もあります。
主な症状
初期の症状として、涙や鼻水が出る、呼吸が苦しくなる、瞳孔が収縮するといったものがあります。重症化すると嘔吐、失禁、呼吸困難、全身のけいれんなどの全身性の障害につながることがあります。
原因
有機リン化合物を含む農薬・殺虫剤の散布中や準備中に肌へ付着したり、誤って吸い込んだり飲み込んだりすることで中毒が起こるとされています。
病態
有機リン化合物はアセチルコリンエステラーゼを阻害する作用があり、神経の末端がオンのまま戻らなくなる状態を引き起こすと説明されています。これにより急性コリン作動性症候群として呼吸機能を中心にさまざまな障害が生じます。
リスク因子
有機リン化合物を含む農薬を扱う人、農業従事者など、薬品を扱う機会の多い人が発症しやすいとされています。取り扱いの誤りや保管の不備が原因となることがあります。
検査と診断
検査
問診と曝露状況の聴取、血液検査による評価、尿中の有機リンの定性分析などが行われることがあります。
鑑別
診断は臨床所見と曝露状況の聞き取り、血液検査などを総合して行います。ガーリック臭などの特徴が参考になる場合もある一方で、カーバメート中毒と症状が重なることもあるため鑑別は難しいとされています。
治療
治療
治療は拮抗剤(解毒剤)の投与を中心に行います。時間が経っていない場合は曝露部位の洗浄、胃洗浄、活性炭の投与などが試みられることがあります。急性コリン作動性症候群にはアトロピン硫酸塩が用いられ、必要に応じプラリドキシムヨウ化物などの追加拮抗薬が使われることがあります。重症化して呼吸不全になると人工呼吸が必要になることがあります。
経過と生活
予防
農薬の取り扱い時には正しい方法と使用量を守り、適切な防護具を使用すること、薬品の保管を適切に行うことが推奨されています。故意の内服や誤飲を防ぐためにも薬品の保管に注意します。
経過・予後
重症化した場合に呼吸不全で死亡するリスクが高まるとされ、適切な治療と呼吸管理が重要です。
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出典
参考: 「有機リン剤中毒」を発症した人に起こる症状をご存じですか?【医師監修】 | メディカルドック(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。