病気の解説
肺静脈還流異常症
受診の目安
肺静脈還流異常症は、肺から戻る血液の通り道が生まれつき正しくつながっていない心臓の病気です。心エコーなどの画像検査で診断され、血液検査では分かりません。
- 赤ちゃんの唇や皮膚が青紫色になる、呼吸が速い・苦しそう、ミルクの飲みが悪い、ひどく眠りがちといった様子があるときは、早急に小児科などの医療機関を受診してください。重いタイプでは生まれて間もない時期の手術が必要になります。
- 呼吸が速い、体重が増えにくいといった目立たない症状だけのこともあるため、気になるときは早めに相談してください。
- 一部の肺静脈だけが異常な部分肺静脈還流異常症は、症状がなく大人になってから見つかることもあります。心雑音や心臓の拡大を指摘されたときは、医療機関(循環器内科など)で詳しい検査を受けてください。
- 手術を受けた方も、不整脈などに備えて生涯にわたり心臓の定期的な受診が必要です。
症状だけで病名は判断できません。治療中の方は、自己判断で通院をやめないでください。
出典:小児慢性特定疾病情報センター、CDC(米国疾病予防管理センター)
基本
概要
肺静脈還流異常症は、肺の静脈と左心房のつながりに異常がある状態です。新生児では呼吸困難や皮膚の色が青くなるチアノーゼが見られることがあります。軽症の場合には心不全の症状が現れることもあり、息切れや疲労感、チアノーゼが見られることがあります。酸素レベルは通常より低くなることがありますが、無症状の乳児もいます。
主な症状
重症の新生児では呼吸困難やチアノーゼがみられることがあります。より軽いケースでは心不全の症状が現れることがあり、息切れや疲労感、低酸素状態が見られることもあります。好発時期や程度には個人差があります。
検査と診断
診断
診断は心エコー検査で確定します。胸部X線検査の所見や聴診での心雑音、血中酸素レベルの低下が病気を疑う手掛かりとなります。時には心臓MRI検査やCT血管造影検査が、異常をより詳しく見るために使われることがあります。
治療
治療
新生児には早い段階での手術が必要となることが多いです。肺静脈の経路に重度の閉塞がある場合は緊急手術となる場合があります。手術が受けられるようになるまでの間は、心不全を治療する薬剤で呼吸を改善することがあります。手術では、肺静脈と左心房の間に新しい接続路を作り、左心房から出ている異常な接続路を遮断します。小児の中には、歯科受診や呼吸器の手術などの前に抗菌薬を服用する必要がある場合があり、心内膜炎を予防する目的で用いられます。
使われる薬
治療の一環として心不全を改善する薬剤を用いることがあります。抗菌薬は心内膜炎予防のために用いられることがあります。
小児科で扱うほかの病気
出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:小児慢性特定疾病情報センター:総肺静脈還流異常症 概要 / 小児慢性特定疾病情報センター:部分肺静脈還流異常症 概要 / CDC: Total Anomalous Pulmonary Venous Return (TAPVR)(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。