酸化エチレンガスで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
エチレンオキシドガスは、アルキル化作用により微生物の核酸やタンパク質を変性させることで、細菌、ウイルス、真菌、そして特に抵抗性の高い細菌芽胞を含む全ての微生物を効果的に死滅させます。この強力な滅菌効果は、熱や湿気に弱い医療器具や精密機器の滅菌において不可欠な特性です。
選択肢ごとの解説
- 1. エチレンオキシドガスは、発がん性、変異原性、刺激性など、高い毒性を持つ化学物質です。そのため、使用時には厳重な換気と曝露防止対策が必要です。正しくは:人体に高い毒性がある。選びやすい理由:滅菌剤として医療現場で広く用いられるため、安全性が高いと誤解するかもしれませんが、これは滅菌効果の高さと、使用上の安全対策が徹底されていることとは別の問題です。混同注意:滅菌剤としての効果と、その物質自体の安全性を混同しやすいです。
- 2. エチレンオキシドガスは、空気との混合比によっては高い引火性および爆発性を示す危険物です。安全な濃度で使用するため、不活性ガス(二酸化炭素など)と混合して利用されることが一般的です。正しくは:高い引火性や爆発性がある。選びやすい理由:医療現場で安全に管理されているイメージから、危険性が低いと思い込むかもしれません。混同注意:安定した不活性ガスと誤解しやすいです。実際は引火性・爆発性が高いため、不活性ガスと混合して使用されます。
- 3. エチレンオキシドガスは、多くの素材(プラスチック、ゴム、金属など)に対して腐食性が非常に低いため、熱に弱い医療器具や精密機器の滅菌に適しています。正しくは:ほとんどの医療器具を腐食させにくい。選びやすい理由:強力な化学物質であるため、器具へのダメージがあると思いやすいですが、その特性の一つが非腐食性です。混同注意:グルタールアルデヒドや次亜塩素酸ナトリウムなど、他の消毒薬や滅菌薬が持つ腐食性と混同しやすいです。
- 4. エチレンオキシドガス滅菌は、通常30~60℃程度の比較的低い温度で行われる低温滅菌法です。これは、熱に弱い医療器具の滅菌に利用される主要な理由の一つです。正しくは:低温滅菌法の一種である。選びやすい理由:滅菌効果が高いことから、高温での処理と関連があるように感じるかもしれませんが、実際は熱に弱い器具のために低温で用いられます。混同注意:オートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)などの高温滅菌法と混同しやすいです。
- 5. 正解。エチレンオキシドガスは、細菌の芽胞を含む全ての微生物に対して非常に強力な殺滅効果を発揮します。この高い殺菌・殺胞子効果が、熱に弱い医療器具の滅菌に広く利用される理由です。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、エチレンオキシドガス滅菌の特性(毒性、引火性、腐食性、温度帯、殺菌スペクトル)が頻繁に問われます。特に、滅菌対象となる医療器具の材質や、他の滅菌法との比較(利点・欠点)を理解しているかが重要視されます。
混同注意
他の滅菌法(高圧蒸気滅菌、プラズマ滅菌、ホルムアルデヒドガス滅菌など)の特性と混同しやすいです。また、消毒と滅菌の違い、あるいは毒性や引火性の有無を誤って認識するケースも見られます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、エチレンオキシドガスの『使用上の注意点(毒性、引火性、環境排出)』、『滅菌可能な対象(熱・湿気に弱い器具)』、『滅菌のメカニズム(アルキル化作用)』、および『他の低温滅菌法との比較(プラズマ滅菌など)』に注目して判断しましょう。
関連知識
滅菌法には、物理的滅菌法(高圧蒸気滅菌、乾熱滅菌、放射線滅菌)と化学的滅菌法(エチレンオキシドガス滅菌、プラズマ滅菌、ホルムアルデヒドガス滅菌、過酢酸滅菌など)があります。エチレンオキシドガス滅菌は、化学的滅菌法の中でも特に歴史が長く、使用実績が豊富な低温滅菌法です。その有効性は高いものの、ガスが人体に有害であること、引火性・爆発性があること、残留ガスを抜くためのエアレーション時間が必要であることなどの欠点も理解しておく必要があります。