糖尿病の1型と2型の分類に有用な検査項目はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
1型糖尿病は膵β細胞の自己免疫性破壊によるインスリンの絶対的欠乏を特徴とするため、血中インスリン値(またはC-ペプチド)の低下や、抗GAD抗体などの自己抗体の存在が鑑別診断に極めて有用です。これに対し、2型糖尿病はインスリン抵抗性と相対的なインスリン分泌不足が主因であり、自己抗体は陰性で、インスリン分泌能は通常、1型のような絶対的欠乏を示しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 血糖値は糖尿病の診断基準にはなりますが、1型と2型糖尿病の病型を区別する直接的な指標ではありません。どちらの病型でも高血糖を呈します。選びやすい理由:糖尿病の診断に不可欠な項目であるため、鑑別にも重要だと誤解しやすいです。混同注意:糖尿病の診断指標であることと、病型鑑別指標であること。
- 2. HbA1cは過去1~2か月の平均血糖コントロール状態を示す指標であり、糖尿病の診断や治療効果の評価に用いられますが、1型と2型糖尿病の病態の違いを直接的に示すものではありません。選びやすい理由:糖尿病の管理において非常に重要なマーカーであるため、鑑別にも関連すると考えがちです。混同注意:糖尿病の血糖コントロール指標であることと、病型鑑別指標であること。
- 3. 正解。1型糖尿病は膵β細胞の破壊によりインスリン分泌能が著しく低下または消失するため、血中インスリン値(またはC-ペプチド値)は極めて低値を示します。一方、2型糖尿病ではインスリン抵抗性のため初期には高値を示すことが多く、病態が進行しても1型のような絶対的欠乏は稀であり、両者の鑑別に有用です。
- 4. 正解。抗GAD抗体は、1型糖尿病(特に自己免疫性糖尿病)の患者で高頻度に検出される自己抗体であり、膵β細胞に対する自己免疫反応の存在を示します。この自己抗体が存在すれば自己免疫性の1型糖尿病である可能性が極めて高く、自己免疫機序が関与しない2型糖尿病との鑑別に非常に重要な指標となります。
- 5. グリコアルブミンは、過去約2週間の平均血糖値を反映する指標で、血糖コントロールの評価に用いられますが、1型と2型糖尿病の病型を区別する根拠となるものではありません。選びやすい理由:HbA1cと同様に糖尿病の血糖コントロール指標であるため、鑑別にも役立つと誤認しやすいです。混同注意:糖尿病の血糖コントロール指標であることと、病型鑑別指標であること。
国試ポイント
糖尿病の病型鑑別に関する知識は、臨床検査技師国家試験で頻出です。特に、1型糖尿病の自己免疫性の側面と、それに関連する検査項目(インスリン分泌能、自己抗体)を正確に理解しているかが問われます。血糖値やHbA1c、グリコアルブミンなどの血糖コントロール指標が、糖尿病の診断や管理には重要であるものの、病型鑑別には直接的ではないという区別ができるかがポイントです。
混同注意
糖尿病の診断に用いられる検査項目と、病型鑑別に用いられる検査項目との混同。インスリン分泌能評価と血中インスリン値そのものの解釈(C-ペプチドの重要性も関連)。様々な自己抗体の中から、1型糖尿病に関連する主要な抗体を区別すること。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題される場合、以下のような点が問われる可能性があります。C-ペプチドの測定意義や、インスリン分泌刺激試験(例えばグルカゴン負荷試験)の結果解釈。各種自己抗体(抗IAA抗体、抗IA-2抗体、抗ZnT8抗体など)の役割と検出率。小児の糖尿病診断で特に重要な検査項目や、LADAの鑑別ポイント。インスリン分泌能の評価において、血中インスリン値とC-ペプチド値の使い分け。
関連知識
1型糖尿病(T1DM)と2型糖尿病(T2DM)の病態生理学的違い(自己免疫性破壊、インスリン抵抗性、インスリン分泌不全)。他の1型糖尿病関連自己抗体(抗IAA抗体、抗IA-2抗体、抗ZnT8抗体)。C-ペプチド(CPR)の測定意義(インスリン分泌能のより直接的な指標)。LADA(緩徐進行1型糖尿病)の概念と診断基準。MODY(若年発症成人型糖尿病)の概念。