尿中デオキシピリジノリン〈DPD〉について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
デオキシピリジノリン(DPD)はコラーゲン架橋物質であり、主に骨コラーゲンの分解によって遊離される骨吸収マーカーです。成長期や原発性副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、悪性腫瘍の骨転移など、骨吸収が亢進する病態で高値を示します。また、一般的に閉経後の女性の方が男性よりも高値を示す傾向があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 骨粗鬆症では骨吸収が亢進しており、DPDは骨吸収マーカーであるため高値を示す。正しくは:骨粗鬆症で高値を示す。選びやすい理由:骨粗鬆症は骨密度が低下する疾患であるため、骨代謝が抑制されていると誤解する可能性がある。混同注意:骨形成マーカー(例:ALP、BAP)と混同する可能性。骨粗鬆症の病態生理の理解不足。
- 2. 一般的に、女性、特に閉経後の女性は男性に比べて骨吸収が亢進しやすいため、DPD値は女性の方が高くなる傾向がある。正しくは:一般的に、女性は男性よりも高値を示す。選びやすい理由:男性ホルモンが骨形成に関与するイメージから、骨代謝回転が活発であると誤解する可能性がある。性差に関する知識不足。混同注意:他の性差のある検査項目と混同する可能性。閉経後骨粗鬆症の機序の理解不足。
- 3. 悪性腫瘍の骨転移では、破骨細胞の活性化が促進され骨吸収が亢進するため、DPDは高値を示す。正しくは:悪性腫瘍の骨転移で高値を示す。選びやすい理由:がんによる消耗や低栄養状態で骨代謝が抑制されると誤解する可能性。骨形成性転移と骨溶解性転移の区別が曖昧。混同注意:骨形成性転移(骨芽細胞が活性化)と骨溶解性転移(破骨細胞が活性化)によるマーカーの変動を混同する可能性。
- 4. 正解。成長期は骨の成長とリモデリングが活発に行われるため、骨吸収と骨形成の回転が速く、骨吸収マーカーであるDPDが高値を示す。選びやすい理由:成長期は骨形成が優位であるため、骨形成マーカーが高くなると考えがちだが、骨吸収も活発である点を理解する必要がある。混同注意:骨形成マーカーと骨吸収マーカーのどちらが上昇するかを混同する可能性。成長期の骨代謝の特徴の理解不足。
- 5. 正解。原発性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺ホルモンの過剰分泌により破骨細胞が活性化され、骨吸収が著しく亢進するため、DPDが高値を示す。選びやすい理由:ホルモン異常による代謝異常は理解しやすいが、それが具体的に骨吸収亢進に繋がるかを正確に把握していないと迷う可能性がある。混同注意:副甲状腺機能低下症や他の内分泌疾患と混同する可能性。副甲状腺ホルモンによる骨代謝調節の機序の理解不足。
国試ポイント
骨吸収マーカーであるデオキシピリジノリン(DPD)について、生理的変動(成長期、性差)および病態時の変動(骨粗鬆症、悪性腫瘍の骨転移、原発性副甲状腺機能亢進症)を正確に理解しているかを問う問題。特に、骨代謝回転が活発な状態(成長期)や骨吸収が亢進する病態で高値を示すことを把握しているかが重要です。
混同注意
DPDが骨形成マーカー(ALP、BAP、OCなど)と混同されやすい。また、特定の病態(例:骨粗鬆症、骨転移)における骨吸収と骨形成のバランスや、性ホルモンの影響による性差が混同されやすい。
次に同じ論点が出たら
DPDを含む主要な骨代謝マーカーの種類とその分類(形成/吸収)、各マーカーの代表的な変動パターン(生理的、病的)を正確に記憶しているかを確認します。特に、なぜその病態で値が変動するのか、病態生理を根拠に説明できるかどうかが次の判断基準となります。
関連知識
骨代謝マーカーには骨形成マーカー(骨型ALP、BAP、オステオカルシン、P1NPなど)と骨吸収マーカー(DPD、TRACP-5b、NTX、CTXなど)があり、それぞれ骨芽細胞と破骨細胞の活性を反映する。これらのマーカーは骨粗鬆症の診断補助、治療効果判定、骨転移の評価などに用いられる。副甲状腺ホルモンはカルシウムホメオスタシスを調節し、骨吸収を促進する作用がある。