病理解剖において切開開始前の手順に含まれないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
病理解剖は、生体手術とは異なり、診断を目的とした非無菌操作である。そのため、手術時のように厳密な皮膚の消毒(清潔野の確保)を切開前の必須手順として行うことは一般的ではない。基本的な清潔操作は行われるが、選択肢の中で「含まれない」ものとしては最も適切である。他の選択肢は、遺体の情報把握、法的・倫理的要件、死亡状況の評価など、切開前の重要な準備段階として実施される。
選択肢ごとの解説
- 1. この作業は、病理解剖の基礎データとして、体格を正確に記録するために切開前に実施される重要な手順であるため、誤りではない。選びやすい理由:もし「清潔操作」という視点に固執すると、体長測定が直接的な清潔操作ではないため、含まれないと誤解するかもしれない。混同注意:診断のために特定の部位を測定する目的と混同するかもしれないが、ここでは全身の記録が目的。
- 2. 正解。病理解剖は診断を目的とする非無菌操作であり、生体手術のような厳密な皮膚の消毒は通常、切開前の必須手順としては行われない。感染対策として基本的な清拭は行われることがあるが、選択肢の他の項目と比較すると、切開前の「必須」または「含まれる」手順としては適切ではない。選びやすい理由:臨床検査技師は感染制御の重要性を学ぶため、清潔操作が当然のようにも見えるが、病理解剖は生体手術とは目的が異なる点を考慮すると誤りであるとわかる。混同注意:手術時の皮膚消毒と混同しやすい。病理解剖と司法解剖の手順の違いと混同する可能性もあるが、どちらにせよ皮膚の厳密な消毒は第一ではない。
- 3. 死後硬直の確認は、死亡推定時刻の判断や遺体の状態評価のために、切開前の重要な観察項目である。選びやすい理由:生体ではないため、身体所見の確認は不要と誤解するかもしれない。混同注意:生存時の身体診察と混同しやすいが、死体の変化の観察も診断の一部。
- 4. 解剖所見を正確に評価するためには、生前の病歴や治療内容などの臨床経過を事前に把握しておくことが不可欠である。選びやすい理由:物理的な解剖台での作業とは異なるため、解剖「手順」から外れると考えるかもしれない。混同注意:解剖所見の考察段階と混同しやすいが、考察のためには事前の情報収集が必須。
- 5. 病理解剖は遺族の同意が必要な医療行為であり、法的な手続きとして承諾書が正しく取得されていることを切開前に確認することは極めて重要である。選びやすい理由:直接的な解剖の手技ではないため、解剖手順に含まれないと考えるかもしれない。混同注意:司法解剖での令状確認と混同しやすいかもしれないが、病理解剖では承諾書が必須。
国試ポイント
病理解剖における基本的な手順や、生体手術との違いを理解しているかを問う問題。特に、解剖の目的(診断)と、それに基づいた清潔操作の程度の違いが重要である。
混同注意
生体手術における消毒手順と混同しやすい。また、司法解剖における現場での遺体処理や、病理解剖における感染性物質取り扱い時の一般的な注意点とも混同する可能性がある。
次に同じ論点が出たら
次回は、病理解剖における体腔内の観察手順、臓器摘出の順序、または組織採取の具体的な方法に関する知識が問われる可能性がある。
関連知識
病理解剖の手順(体外所見、体腔内所見、臓器摘出、組織採取、臓器重量測定、病理診断報告)、死体現象(死斑、死後硬直、自己融解)、病理解剖の法的側面(承諾書)。