ポリファーマシーの説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ポリファーマシーは、一般的に「多くの薬を服用している状態」を指しますが、特に看護師国家試験で問われる文脈では、多剤併用によって健康上の問題(副作用、有害事象、転倒、認知機能低下など)が生じている「不適切な多剤併用」の状態を指すことが多いです。選択肢2がこの定義に最も合致しています。単に服用している薬が多いだけでなく、それによって具体的な有害事象が発生している点が重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは「服薬アドヒアランス不良」や「服薬コンプライアンスの欠如」を指し、ポリファーマシーそのものの定義ではありません。正しくは:服薬アドヒアランスとは、患者が医療者の指示通りに薬を服用する状況を指します。指示通りに服薬しない場合は「服薬アドヒアランス不良」や「服薬中断」などと表現されます。選びやすい理由:ポリファーマシーに関連して、服薬管理が難しくなり指示通りに服薬できなくなるケースもあるため、混同しやすいかもしれません。しかし、これはポリファーマシーの『結果』や『関連事象』であって、定義ではありません。混同注意:「アドヒアランス不良」や「薬剤自己中止」など。
- 2. 正解。ポリファーマシーは単に多くの薬を服用している状態を指すこともありますが、看護師国家試験においては、特に「多剤併用によって副作用や有害事象が引き起こされている状態」という、問題のあるポリファーマシー(不適切な多剤併用)を問う文脈で出題されることが多いです。有害な事象が生じている点が重要です。
- 3. これは、高齢者などでポリファーマシーの問題が発生しやすくなる一因ではありますが、ポリファーマシーそのものの定義ではありません。薬の管理が困難である状況を示しています。正しくは:認知機能の低下は、ポリファーマシーの一因となることがありますが、多剤併用そのものではありません。選びやすい理由:高齢者に多いポリファーマシーの問題と関連が深いため、選びやすいかもしれません。混同注意:「高齢者の服薬管理困難」や「薬剤自己調節困難」など。
- 4. これは「服薬に関する患者教育の不足」や「ヘルスリテラシーの問題」を指し、ポリファーマシーの定義ではありません。多剤併用によって薬の内容を理解しにくくなることはありますが、それ自体がポリファーマシーではありません。正しくは:患者さんが薬の内容を理解していない場合、薬剤師や看護師による情報提供や説明が必要となります。選びやすい理由:多くの薬を服用していると、それぞれの薬の目的や作用を理解しにくくなるため、ポリファーマシーと関連付けて考えやすいかもしれません。混同注意:「服薬教育の不足」や「インフォームド・コンセントの不十分さ」など。
国試ポイント
ポリファーマシーの定義と、それによって生じる具体的な問題(有害事象)を理解しているかが問われる。単に多剤併用という言葉だけでなく、それが患者にどのような影響を及ぼすか、特に高齢者における問題として認識されているかが重要。
混同注意
服薬アドヒアランス不良、服薬自己中断、薬剤性の副作用(単一薬剤によるもの)、認知機能低下による服薬管理困難、ヘルスリテラシーの不足。これらはポリファーマシーと関連する現象だが、ポリファーマシーそのものの定義とは異なる。
次に同じ論点が出たら
もし次にポリファーマシーに関する問題が出題されたら、単に薬が多い状態を指すだけでなく、「具体的な有害事象が生じているか」「対策として何が有効か」「多職種連携の重要性」といった点に注目して選択肢を検討する。
関連知識
ポリファーマシーの具体的なリスク(転倒、認知機能低下、食欲不振、せん妄など)。ポリファーマシーの対策(薬剤調整支援、包括的アセスメント、多職種連携)。高齢者にポリファーマシーが多い理由。残薬問題との関連。