再生能力が最も高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
骨髄は、造血幹細胞を豊富に含み、血液細胞を絶えず入れ替えることで、生体内で最も高い再生能力を持つ組織の一つです。他の選択肢の組織は、再生能力が限定的であったり、ほとんどなかったりします。
選択肢ごとの解説
- 1. 角膜は表層の上皮細胞に再生能力がありますが、基底膜や実質細胞は再生能力が限定的です。特に損傷が深部に及ぶと瘢痕を残し、視力障害につながります。正しくは:角膜表皮細胞は比較的高い再生能力を持ちますが、全体として骨髄ほどではありません。選びやすい理由:角膜が損傷しても比較的早く治癒する経験があるため、再生能力が高いと思われがちです。混同注意:上皮組織の再生能力と、臓器全体の再生能力を混同しやすいです。
- 2. 正解。骨髄には造血幹細胞が存在し、赤血球、白血球、血小板など、多様な血液細胞を常に生産・補充する高い再生能力を持っています。これは体内で最も活発に細胞が入れ替わる組織の一つです。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:正しい選択肢なので、誘惑はありません。混同注意:他の再生能力を持つ組織と比較した際に、その絶対的な高さを理解していないと迷う可能性があります。
- 3. 心筋細胞は、一度損傷を受けるとほとんど再生しません。損傷部位は線維芽細胞による線維性瘢痕組織に置き換わり、心臓の機能が低下します。正しくは:心筋細胞の再生能力は極めて低いです。選びやすい理由:再生医療の研究が進んでいるため、何らかの形で再生する可能性を期待してしまうかもしれませんが、自然な状態での再生能力は低いのが現状です。混同注意:心臓自体の強さや、現代医療の進歩と、細胞本来の再生能力を混同しやすいです。
- 4. 中枢神経系(脳、脊髄)の神経細胞は再生能力がほとんどありません。末梢神経では軸索の再生が見られることもありますが、完全な機能回復は困難な場合が多いです。正しくは:神経細胞、特に中枢神経系の再生能力は非常に低いです。選びやすい理由:末梢神経の一部で再生が見られることから、一概に再生能力がないとは言えない、と誤解する可能性があります。混同注意:中枢神経と末梢神経の再生能力の違い、また軸索の再生と細胞体自体の再生を混同しやすいです。
- 5. 横紋筋(骨格筋)には衛星細胞と呼ばれる幹細胞が存在し、損傷した筋細胞の一部を再生する能力はありますが、広範囲な損傷や重度な変性には対応しきれず、線維化しやすいです。心筋と同様に再生能力は限定的です。正しくは:横紋筋の再生能力は限定的であり、骨髄ほど高くありません。選びやすい理由:筋トレなどで筋肉が大きくなることから、再生能力が高いと錯覚しやすいです。しかし、これは筋肥大であり、損傷からの再生とは異なります。混同注意:筋肥大のメカニズムと、広範囲な損傷からの細胞再生能力を混同しやすいです。
国試ポイント
生体の組織ごとの再生能力の違いを理解しているか問う問題です。特に、再生能力が低い組織(心筋、神経)と高い組織(造血組織、上皮組織)の典型例を区別できるかが重要です。
混同注意
再生能力がある部位(例:角膜の上皮、末梢神経の軸索)と、臓器全体としての再生能力のレベルを混同しやすい。また、損傷からの修復(瘢痕形成など)と、元の組織が完全に再生されることの違いも理解が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各組織の幹細胞の有無と種類、細胞分裂の頻度、および損傷後の修復メカニズム(再生か線維化か)に着目して判断する。
関連知識
幹細胞の存在と、それが組織の再生能力にどのように寄与するか。各組織の機能と、その細胞の分化度合い。再生医療における各組織の課題。