自律神経で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
自律神経系において、交感神経と副交感神経のいずれの節前線維も、神経終末からはアセチルコリンを放出し、節後神経のニコチン性受容体に作用します。この選択肢は自律神経の基本的な神経伝達物質に関する知識を問うもので、正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 自律神経の節後線維は、基本的に無髄線維です。これにより伝導速度は遅くなりますが、より広範囲に効率よく情報を伝達できます。正しくは:節後線維は無髄線維です。選びやすい理由:一般的な神経線維には有髄線維が多く、重要な伝達に関わるため有髄であると誤解しやすいかもしれません。混同注意:運動神経や感覚神経の有髄線維と混同しやすいです。自律神経の節前線維の一部は有髄ですが、節後線維は無髄が基本です。
- 2. 自律神経は、その名の通り『自律的』に機能し、消化、呼吸、心拍などの内臓機能を私たちの意識とは独立して制御しています。随意的な調節はできません。正しくは:内臓の機能は無意識的、非随意的に調整されます。選びやすい理由:呼吸など一部の機能は意識的に多少コントロールできるため、内臓機能全般も随意的に調節できると誤解する可能性があります。混同注意:随意神経系(体性神経系)と混同しやすいです。自律神経系は非随意的な内臓機能の調節を担います。
- 3. 自律神経は、内臓機能を常に調整し続けているため、持続的かつ連続的にインパルスを発しています。一時的・断続的な発射ではありません。正しくは:臓器へは持続的かつ連続的にインパルスが発せられます。選びやすい理由:拍動や周期的な活動(例:呼吸、消化管蠕動)をイメージし、インパルスも断続的であると考えるかもしれません。しかし、その活動自体は自律神経の持続的な調節によって維持されています。混同注意:感覚神経や運動神経が特定の刺激に応答してインパルスを発する形態と混同しやすいです。
- 4. 汗腺は主に交感神経によって支配されており、副交感神経からの二重支配は受けていません。ただし、この交感神経は例外的にアセチルコリンを放出します(コリン作動性交感神経)。正しくは:汗腺は主に交感神経の支配を受けています。選びやすい理由:多くの内臓が交感神経と副交感神経の二重支配を受けているため、汗腺もそうであると推測しやすいです。混同注意:心臓や消化管など、一般的な二重支配を受ける臓器と混同しやすいです。唾液腺は二重支配ですが、汗腺は違います。
- 5. 正解。自律神経系では、交感神経と副交感神経のどちらにおいても、節前線維の神経終末からはアセチルコリンが放出されます。これはニコチン性アセチルコリン受容体を介して節後神経に興奮を伝達します。正しくは:選択肢は正しい記述です。選びやすい理由:特にありません。自律神経の基本的な生理学知識です。混同注意:節後線維の神経伝達物質(交感神経はノルアドレナリン、副交感神経はアセチルコリン)と混同することがありますが、節前線維は両方ともアセチルコリンです。
国試ポイント
自律神経系の基本的な解剖生理学、特に神経線維の種類(有髄・無髄)、支配様式(二重支配)、および神経伝達物質の種類とその放出部位に関する正確な知識が問われています。例外的な支配や伝達物質についても理解しているかが重要です。
混同注意
自律神経の節前線維と節後線維の伝達物質、交感神経と副交感神経の伝達物質の違い。特に、交感神経の節後線維がノルアドレナリンを放出すること、副交感神経の節後線維がアセチルコリンを放出することと、節前線維が共通してアセチルコリンを放出することを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、節後線維の神経伝達物質とその受容体、さらに各臓器への交感神経・副交感神経の具体的な影響(促進・抑制)について問われる可能性があります。特に、例外的な支配や伝達物質(例:汗腺への交感神経のアセチルコリン放出)は狙われやすいポイントです。
関連知識
自律神経系の解剖学的特徴(節前線維の長さ、神経節の位置)、受容体の種類(ニコチン性、ムスカリン性、アドレナリンα・β)、発汗に関わるコリン作動性交感神経など。また、内臓機能の非随意性、持続的な調整機能。