ACTの説明で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ACT(Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム)は、重度の精神疾患を持つ方が地域で安定した生活を送ることを目指す、多職種チームによる集中的な訪問支援プログラムです。その特徴の一つとして、利用者の個々のニーズに応じた包括的なケアマネジメントが挙げられます。チームが利用者宅や地域を訪問し、医療、生活支援、就労支援など、生活全般にわたるサポートを提供します。また、24時間365日の緊急時対応も行われるため、地域での危機介入にも対応できます。
選択肢ごとの解説
- 1. ACTの主な対象者は、重度の精神疾患により地域での生活が困難な方、入院と退院を繰り返している方、従来のケアでは十分な支援が得られなかった方など、支援ニーズが高い人々です。正しくは:重度の精神疾患により、地域生活が困難な方が主な対象となります。選びやすい理由:精神疾患全般の支援をイメージしやすいため、軽度でも対象になると誤解しやすいかもしれませんが、ACTは特に重篤なケースに特化しています。混同注意:一般的な精神科デイケアや訪問看護など、より広範な精神疾患を対象とするサービスと混同しやすいです。
- 2. 正解。ACTは、多職種チームが利用者の個々のニーズに合わせて、包括的かつ個別化されたケアマネジメントを提供します。住居、医療、就労、社会活動など、生活全般にわたるサポートを計画し、調整する特徴があります。
- 3. ACTの主たる目標は、利用者が地域で安定した生活を送り、生活の質を向上させることです。症状の軽減は重要な要素ではありますが、それは地域生活を支えるための手段であり、最終目標ではありません。症状を抱えながらも地域で生活できることを目指します。正しくは:その主要な目標は、利用者が地域で安定した生活を送り、生活の質を向上させることにあります。選びやすい理由:精神科医療の一般的な目標として症状の軽減が挙げられるため、ACTも同様と捉えがちですが、ACTは生活支援に重点を置いています。混同注意:入院治療や外来治療といった医療モデルの目標と、地域生活支援モデルであるACTの目標を混同しやすいです。
- 4. ACTは、精神科医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの多職種チームが協働して包括的な地域生活支援を提供するプログラムです。訪問作業療法はACTチームが提供するサービスの一部となり得ますが、ACT全体が訪問作業療法の一形態というわけではありません。ACTは多職種によるチームアプローチが特徴です。正しくは:精神科医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの多職種チームによる包括的な地域生活支援プログラムです。選びやすい理由:ACTが利用者宅を訪問して支援を行うため、訪問系のサービスと混同しやすいです。また、作業療法士がチームの一員であることから、訪問作業療法と直接的に関連付けてしまいがちです。混同注意:単一職種が行う訪問看護や訪問リハビリテーションといったサービスと混同しやすいです。ACTは多職種連携が必須です。
- 5. ACTの重要な特徴の一つは、利用者が生活上で直面する様々な問題に対して、必要に応じて24時間365日のオンコール体制を含む緊急時対応を提供することです。これにより、利用者は安心して地域生活を送ることができます。正しくは:夜間や休日を含め、24時間365日の緊急時対応体制が整えられています。選びやすい理由:一般的な医療機関の営業時間外の対応は限られているため、ACTも同様と誤解しやすいです。しかし、ACTは危機介入の側面も持ちます。混同注意:一般的な外来診療や、平日の日中のみ対応するサービスと混同しやすいです。
国試ポイント
ACTに関する問題は、その対象者、サービス内容(ケアマネジメント、多職種連携、訪問支援、24時間対応など)、および主要な目標(地域生活の安定と質の向上)が主な出題ポイントとなります。特に、他の精神科サービスや単一職種の訪問サービスとの違いを理解しておくことが重要です。
混同注意
訪問看護、精神科デイケア、一般的な精神科外来診療、ケースマネジメント単体サービスなど。ACTはこれらのサービスの一部を内包しつつも、より集中的で多職種連携を強調する点が異なります。
次に同じ論点が出たら
ACTに関する問題が出題された際は、以下の点に着目して判断しましょう。 1. **対象者**: 重度の精神疾患による地域生活困難者か。 2. **チーム体制**: 多職種チームによる支援か。 3. **サービス形態**: 訪問による集中的・包括的支援か。 4. **対応時間**: 24時間365日の緊急対応を含むか。 5. **目標**: 症状軽減だけでなく、地域生活の安定・質の向上か。
関連知識
ACTは、米国で開発された地域精神医療のモデルであり、欧米を中心に広く普及しています。日本でも導入が進められています。チームは精神科医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などから構成され、高頻度で利用者宅や地域を訪問し、服薬管理、症状モニタリング、日常生活支援、社会資源との連携、家族支援など多岐にわたる支援を行います。