腎臓の排尿機構で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
近位尿細管では、糸球体で濾過された原尿中の約60-70%のナトリウム、水、グルコース、アミノ酸などが能動輸送や受動輸送によって再吸収されます。これは腎臓の機能において非常に重要なプロセスであり、体液の恒常性維持に不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. ボーマン嚢は尿細管のうち、近位尿細管の起始部と接続します。集合管は遠位尿細管の後に続く構造です。正しくは:ボーマン嚢は近位尿細管に接続する。選びやすい理由:腎臓内の構造であるため、一部の学生は関係性があると誤認する可能性があります。混同注意:腎小体と尿細管の構成、集合管がどの位置にあるかといった基本的な解剖生理学。
- 2. 正解。近位尿細管は、糸球体で濾過された原尿から、ナトリウム、水、アミノ酸、グルコースなど多くの物質を再吸収する主要な部位です。ナトリウムの再吸収は能動輸送によって活発に行われ、これに伴い水も再吸収されます。混同注意:腎臓の他の部位での物質輸送との混同。例:ヘンレループ、遠位尿細管、集合管での再吸収。
- 3. ネフロンは、腎小体(糸球体とボーマン嚢)と、それに続く尿細管(近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管)から構成されます。近位尿細管だけではネフロン全体を指しません。正しくは:ネフロンは腎小体(糸球体とボーマン嚢)と、近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管から構成される。選びやすい理由:糸球体と近位尿細管がネフロンの重要な構成要素であるため、これだけで全てと錯覚する可能性があります。混同注意:ネフロンの全体構造と各部位の名称。
- 4. 糸球体は、分子量の大きなタンパク質(アルブミンなど)を濾過しないようにする機能があります。アルブミンは分子量が大きいため、水よりも濾過されにくいです。健常な腎臓では、尿中にほとんどアルブミンは排出されません。正しくは:糸球体ではアルブミンは水よりも濾過されにくい。選びやすい理由:水分と一緒に体内の物質が濾過されるという漠然としたイメージから、タンパク質も濾過されると考えてしまう可能性があります。混同注意:糸球体濾過の選択的透過性、特に分子量や電荷による濾過のされやすさ。
- 5. 健常成人の糸球体濾過量(GFR)は1日あたり約180リットル(125 mL/分 × 60分 × 24時間)です。1.5リットルは、腎臓で再吸収された後の最終的な尿量に相当します。正しくは:糸球体濾過量は健常成人では日に約180Lである(最終的な尿量は日に〜1.5Lである)。選びやすい理由:1.5Lという数字が一般的な1日の尿量と近いため、混同しやすいです。糸球体濾過量と最終尿量の違いを理解していないと誤答しやすいです。混同注意:糸球体濾過量(GFR)と最終的な尿量。
国試ポイント
腎臓の基本的な解剖生理、特にネフロンの各部位の機能と、物質の輸送メカニズム(濾過、再吸収、分泌)を正確に理解しているかが問われます。数値に関する問題も頻出であり、糸球体濾過量と尿量の違いは重要です。
混同注意
糸球体濾過量と尿量、ネフロンの構成要素、各尿細管での物質輸送の特異性。
次に同じ論点が出たら
腎臓の各部位の名称と役割が問われた場合、その物質が「濾過されるか・されないか」「再吸収されるか・されないか」「分泌されるか・されないか」を判断できるようになることが重要です。また、各部位で輸送される主な物質の種類と方向も確認しましょう。
関連知識
腎小体(糸球体・ボーマン嚢)、近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管、集合管のそれぞれの機能と、水・ナトリウム・グルコース・タンパク質などの主な物質がどの部位でどのように処理されるか。糸球体濾過の選択性(分子量、電荷)。