心電図の波形で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
PR間隔は、P波の始まりからQRS波の始まりまでの時間であり、これは心房の興奮開始から心室の興奮開始までの伝導時間、具体的には心房内伝導、房室結節での遅延、His束・脚枝・プルキンエ線維を介した伝導の合計時間、つまり房室伝導時間を正確に示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. P波は心房の脱分極(興奮)を表します。His束の興奮は心電図上では直接的な波形として現れず、PR間隔の一部に含まれます。正しくは:P波は心房の脱分極を意味します。選びやすい理由:心臓の伝導系の一部なので、P波と関連があるように感じるかもしれませんが、P波はより上位の心房の活動です。混同注意:洞結節、房室結節、His束などの伝導系の活動と、それらが心電図のどの波形に対応するかの混同。
- 2. 正解。PR間隔は、心房の興奮開始(P波の開始)から心室の興奮開始(QRS波の開始)までの時間を指し、洞結節、心房、房室結節、His束、脚枝を介した刺激伝導の合計時間、つまり房室伝導時間そのものです。
- 3. QRS波は心室の脱分極(興奮)を表します。プルキンエ線維の興奮自体は非常に速く、QRS波の急速な立ち上がりや幅の形成に寄与しますが、QRS波全体は心室全体の脱分極を示します。正しくは:QRS波は心室の脱分極を意味します。選びやすい理由:QRS波の伝導速度の速さからプルキンエ線維との関連性を連想しやすいですが、QRS波は心室全体の収縮に関わる活動です。混同注意:プルキンエ線維の役割とQRS波の直接的な意味との混同。
- 4. ST間隔(またはST部分)は、心室の脱分極が完了してから再分極が始まるまでの時間、すなわち心室の活動電位のプラトー相(興奮が持続しているが、電気的な変化が少ない期間)を反映します。心室内興奮到達時間はQRS波の幅で表されます。正しくは:ST部分(ST間隔ではなくST部分が一般的)は、心室の脱分極が完了してから再分極が始まるまでの期間(活動電位のプラトー相)を意味します。選びやすい理由:ST部分の長さや変化が臨床的に重要であるため、何らかの時間を示すと誤解しやすいですが、その意味するところは異なります。混同注意:ST部分の臨床的意義と、QRS波の幅が示す心室内伝導時間との混同。
- 5. T波は心室の再分極(興奮から回復する過程)を表します。心室の脱分極はQRS波で示されます。正しくは:T波は心室の再分極を意味します。選びやすい理由:QRS波とT波が心室に関わる波形であるため、その意味を混同しやすいです。混同注意:脱分極と再分極の意味、およびそれぞれが心電図のどの波形に対応するかの混同。
国試ポイント
心電図の各波形(P波、QRS波、T波)と間隔(PR間隔、QT間隔など)が心臓のどの電気的活動(脱分極、再分極、伝導時間)に対応するかを理解しているかが問われます。特に、P波が心房脱分極、QRS波が心室脱分極、T波が心室再分極であること、そしてPR間隔が房室伝導時間であることは基本中の基本知識です。
混同注意
心電図の各波形が示す「脱分極」と「再分極」の概念、および心臓の刺激伝導系(洞結節、房室結節、His束、プルキンエ線維)のそれぞれの部位の興奮がどの波形や間隔に影響するかという点の混同が見られます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、P波、QRS波、T波がそれぞれ心房・心室の脱分極・再分極のいずれを表すかを問う問題や、QT間隔やST部分の生理学的意味を問う問題が出題される可能性があります。また、これらの波形や間隔の異常が示す疾患(例:房室ブロックでのPR延長、心筋梗塞でのST上昇など)との関連を問う応用問題も考えられます。
関連知識
心電図の基本判読、心臓の刺激伝導系の解剖生理、活動電位の発生機序(脱分極と再分極)。QT間隔が心室全体の活動時間を示すこと、ST部分が心室の活動電位のプラトー相であることなど。