視覚について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
近くを見る時には、毛様体筋が収縮し、チン小帯の張力が緩みます。これにより水晶体が厚くなり、屈折力が増して網膜に焦点が合うため、近見反応が起こります。
選択肢ごとの解説
- 1. 一次視覚野(V1)は、視覚情報を処理する脳の主要な領域であり、後頭葉に位置しています。側頭葉は聴覚や記憶、感情などに関わります。正しくは:一次視覚野は後頭葉に位置しています。選びやすい理由:脳の機能局在に関する知識が曖昧な場合、他の脳葉と混同しやすい。混同注意:ブローカ野やウェルニッケ野などの言語野(側頭葉に関わる)と混同することがある。
- 2. 視細胞の杆体は主に暗い場所での明暗識別や動きの検出に関与し、色覚は錐体が担当します。錐体は赤、緑、青の3種類があり、色を識別します。正しくは:視細胞のうち、錐体は色の識別を担当します。選びやすい理由:視細胞の種類と機能の対応関係があいまいだと、混同しやすい。どちらも視覚に関わるため。混同注意:杆体と錐体の機能(明暗覚と色覚)を混同しやすい。
- 3. 空間分解能は視野の中心部(黄斑、特に中心窩)で最も高く、周辺部になるほど低下します。これは中心窩に錐体が集中しているためです。正しくは:視覚の空間分解能は、視野の中心部で最も高くなります。選びやすい理由:全体的に見えるため、分解能も均一と思いがち。混同注意:視野の広さと空間分解能を混同しやすい。
- 4. 明順応は数秒から数十秒で完了するのに対し、暗順応はロドプシンの再合成に時間がかかるため、完了までに数分から30分以上を要します。したがって、暗順応の方が時間がかかります。正しくは:明順応は暗順応より速やかに行われます。選びやすい理由:感覚的に暗い場所への適応が速いと誤解することがある。混同注意:順応の速度と、現象自体を混同しやすい。
- 5. 正解。近くの物を見る(近見反応)際には、毛様体筋が収縮することでチン小帯が緩み、水晶体の厚みが増して屈折率が高まり、焦点が近距離に合います。
国試ポイント
視覚系の生理学的な基礎知識、特に眼球の構造と機能、脳の視覚野の局在、視細胞の役割、順応機構、および近見反射に関する正確な理解が問われています。各選択肢が異なる視覚の側面を網羅しており、幅広い知識が必要です。
混同注意
脳の機能局在(一次視覚野)、視細胞の種類と機能(杆体・錐体)、順応の速度(明順応・暗順応)、空間分解能の分布(中心窩と周辺)、そして眼球の調節機能(毛様体筋の収縮と水晶体の変化)がそれぞれ混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この問題で問われた知識が不確かな場合、まず眼球の解剖学的構造と各部位の機能、特に水晶体による焦点調節のメカニズム、そして網膜の視細胞の種類と役割を復習してください。さらに、脳の視覚野の機能局在と、明暗順応の生理学的機序も確認することが求められます。
関連知識
眼球の構造(角膜、虹彩、水晶体、網膜、視神経など)、視神経路、中心窩と周辺網膜の機能の違い、光受容体のロドプシンとフォトプシン、自律神経系による瞳孔反射や調節機能。また、遠見・近見調節のメカニズムを理解することが重要です。