精神障害者に対する就労支援として最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
障害者就業・生活支援センターは、就労を希望する障害者や就労中の障害者に対して、職業面と生活面の両方からの相談・支援を一体的に提供する機関です。就労中の生活に関する問題も、その支援対象に含まれるため、選択肢5が最も適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 障害の開示は個人の選択であり、適切な支援や配慮を受けるためには必要な場合があるため、一律に「避けるべき」と推奨するのは不適切です。正しくは:自身の障害を職場で開示するかどうかは、個人の状況や得られる支援、職場の環境などを考慮して慎重に判断すべきである。選びやすい理由:精神障害に対する偏見や差別を懸念し、開示しないことがトラブルを避ける最善策だと誤解する可能性があります。混同注意:障害開示のメリット(支援、理解)とデメリット(偏見、不利益)のバランスを混同しやすいです。
- 2. 就労支援の方針は、患者自身の意思や希望を最大限に尊重し、作業療法士を含む多職種のチームで話し合って決定されるべきです。作業療法士が単独で決定するものではありません。正しくは:患者の就労支援の方針は、患者自身の意向を尊重し、作業療法士を含む多職種チームで協議して決定する。選びやすい理由:作業療法士が専門家として支援の中心を担うため、その役割が意思決定権限の全てであると誤解する可能性があります。混同注意:専門職の役割(支援の提供、助言)と、支援対象者の主体性(自己決定権)の尊重の原則を混同しやすいです。
- 3. 生活リズムの安定化を目的とする支援は精神科デイケアに限定されません。就労移行支援事業所や地域活動支援センターなど、患者の状況に応じて多様な福祉サービスや地域資源が利用可能です。一つのサービスに限定するのは不適切です。正しくは:生活リズムが不安定な患者に対しては、精神科デイケアの他、就労移行支援事業所など、状況に応じた多様な支援サービスを検討すべきである。選びやすい理由:精神科デイケアが生活リズムの安定に有効な手段であることは事実であるため、それが最も、あるいは唯一の適切な選択肢だと誤解する可能性があります。混同注意:精神科デイケアの有効性と、それが唯一の支援選択肢であるという誤解を混同しやすいです。
- 4. 地域障害者職業センターは、就労経験の有無に関わらず、障害のある方の就労に関する様々な相談や支援(職業評価を含む)を提供する機関です。就労経験があるからといって利用が制限されることはありません。正しくは:就労経験のある患者も、地域障害者職業センターの職業評価サービスを利用できる。選びやすい理由:就労経験がない人が主に利用するというイメージから、経験者には不要なサービスだと誤解する可能性があります。混同注意:地域障害者職業センターのサービスの対象範囲と、就労経験の有無の関連性を混同しやすいです。
- 5. 正解。障害者就業・生活支援センター(通称『就労定着支援事業』)は、障害のある方が職業生活だけでなく、それに伴う日常生活上の問題についても一体的に相談・支援を受けられる機関です。そのため、就労中の生活に関する問題もその支援範囲に含まれます。
国試ポイント
精神障害者に対する就労支援サービスの種類と、それぞれの支援機関の役割や機能について正確な知識が問われています。特に、各機関の対象者や提供するサービス内容を具体的に理解しているかどうかが重要です。
混同注意
地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、ハローワーク(公共職業安定所)、就労移行支援事業所、精神科デイケアなど、就労支援に関わる様々な機関の役割と対象範囲が混同されやすいです。それぞれの機関が提供する支援の特性を明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各就労支援機関の名称とその具体的なサービス内容、対象者(障害種別や就労経験の有無など)を正確に把握しているかを確認することが重要です。また、支援の基本的な考え方として「当事者中心」「多職種連携」が守られているかどうかも判断基準となります。
関連知識
障害者総合支援法に基づく就労系サービス(就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援)、精神保健福祉法、障害者雇用促進法、合理的配慮、オープン就労とクローズ就労、IPS(個別就労支援)モデル。