ある道具の写真(別冊No. 3)を別に示す。この道具を用いて行う高次脳機能障害評価法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下図の道具がBADS(遂行機能障害症候群の行動評価)の『図形構成課題』で使用される積み木や図形であると認識することが重要です。BADSは遂行機能を多角的に評価するバッテリーであり、高次脳機能障害の評価として適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. CBS(行動性無視症候群検査)は半側空間無視の評価法であり、下図の道具とは関連がありません。正しくは:CBSは半側空間無視の評価法です。選びやすい理由:高次脳機能障害の評価法の一つではあるため、関連性がないことを見落としやすいかもしれません。混同注意:他の高次脳機能障害評価法と混同しやすいです。
- 2. MFT(Motor Function Test:上田式運動機能検査)は運動機能の評価法であり、高次脳機能障害の評価法ではありません。また、下図の道具とは無関係です。正しくは:MFTは運動機能の評価法です。選びやすい理由:リハビリテーションで用いられる検査法であるため、高次脳機能障害分野のものと誤解する可能性があります。混同注意:高次脳機能障害の評価法ではなく、運動機能の評価法である点で混同しやすいです。
- 3. 正解。BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)は、遂行機能を評価するバッテリーであり、その下位検査の一つに『図形構成課題』が含まれます。この図形構成課題では、下図のような積み木や図形を用いた道具が使用されます。したがって、この道具を用いて行う高次脳機能障害評価法はBADSが該当します。選びやすい理由:複数の課題で構成される評価法であるため、どの道具がどの課題に属するかを正確に知っている必要があります。混同注意:BADSに含まれる様々な課題のうち、どの課題でこの道具を使うのかを理解していないと正答できません。
- 4. STEF(標準高次動作性検査)は高次動作性、特に失行の評価法であり、下図の道具とは直接関連がありません。STEFには、指・手・上肢・顔面・口・全身の模倣や物品の使用など様々な課題が含まれますが、図の道具は使用しません。正しくは:STEFは高次動作性(失行)の評価法です。選びやすい理由:高次脳機能障害評価の一つであるため、関連性がないことを見落としやすいです。混同注意:他の高次脳機能障害評価法、特に失行と混同しやすいです。
- 5. SLTA(標準失語症検査)は失語症の評価法であり、言語機能に特化しています。下図の道具は言語評価には通常使用されません。正しくは:SLTAは失語症の評価法です。選びやすい理由:高次脳機能障害の主要な評価法の一つであるため、道具との関連性を見誤る可能性があります。混同注意:高次脳機能障害全体ではなく、失語症に特化した評価法である点で混同しやすいです。
国試ポイント
高次脳機能障害の各種評価法と、それに用いられる具体的な道具や課題内容を結びつけて覚えているかを問う問題です。特に、評価バッテリーの個々の下位検査でどのような作業が行われるかまで理解している必要があります。
混同注意
多くの高次脳機能障害評価法があるため、それぞれの評価対象(失語、失行、無視、遂行機能など)と、それに使用される道具や具体的な課題内容を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、別の評価法に用いられる道具の写真が提示されたり、評価法名から使用される道具を問う問題が出題される可能性があります。また、各評価法の具体的な検査手順やスコアリングに関する知識も問われる可能性があります。
関連知識
BADSの全下位検査の内容(規則遵守、行為計画、鍵探し、動物園ルール、課題切り替え、図形構成)と、それぞれの課題の目的を理解しておくこと。また、他の主要な高次脳機能評価法(WMS-R、FAB、WCST、RBMTなど)についても同様に評価対象と内容を把握しておく必要があります。