糖尿病の合併症に対する検査で優先度が低いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
糖尿病の主要な合併症である三大合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害)の早期発見と管理は、患者のQOL維持と生命予後改善のために非常に重要です。眼底検査は網膜症、尿蛋白検査は腎症、足部感覚検査やアキレス腱反射の評価は神経障害の主要なスクリーニング項目であり、高い優先度で定期的に行われます。一方、聴力障害は糖尿病患者に比較的よく見られる合併症ではありますが、三大合併症や心血管系合併症などの生命予後やQOLに直接的に大きく影響する合併症に比べると、そのスクリーニング検査の優先度は一般的に低いとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖尿病性網膜症は糖尿病の三大合併症の一つであり、失明のリスクもあるため、定期的な眼底検査は非常に優先度が高い検査です。正しくは:これは優先度が高い検査項目です。選びやすい理由:糖尿病が眼に影響を与えることは知っていても、他の神経障害などと比較した場合の具体的な検査の優先度を正確に把握していないと、迷う可能性があります。混同注意:糖尿病性白内障など、糖尿病に起因する他の眼疾患。
- 2. 正解。糖尿病患者において聴力障害のリスクが指摘されることもありますが、糖尿病の三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)やその他主要な合併症(大血管障害など)の早期発見・管理に比べると、定期的な聴力検査の優先度は一般的に低いとされています。選びやすい理由:糖尿病が全身疾患であり、多くの臓器に影響を与えるという漠然とした知識から、聴力も影響を受ける可能性があると考え、優先度が高いと誤解するかもしれません。混同注意:糖尿病が引き起こす可能性のある他のマイナーな合併症との優先度。
- 3. 糖尿病性腎症は糖尿病の三大合併症の一つであり、末期腎不全に至るリスクがあるため、早期発見のために尿蛋白(特に微量アルブミン尿)検査は非常に優先度が高い検査です。正しくは:これは優先度が高い検査項目です。選びやすい理由:糖尿病性腎症の重要性は広く認識されており、誤答として選びにくい選択肢です。混同注意:糖尿病の他の腎臓関連の指標(例:eGFRなど)。
- 4. 糖尿病性神経障害は糖尿病の三大合併症の一つであり、特に足部の感覚障害は糖尿病性足病変(潰瘍、壊疽)のリスクを高めるため、モノフィラメント検査などによるその評価は非常に優先度が高い検査です。正しくは:これは優先度が高い検査項目です。選びやすい理由:糖尿病性神経障害が足病変に繋がることは広く知られており、優先度が高いと認識されているため、誤答として選びにくい選択肢です。混同注意:単純な皮膚感覚の評価と、糖尿病特異的な神経障害評価(例:振動覚、モノフィラメント)。
- 5. 糖尿病性神経障害、特に末梢神経障害の評価において、アキレス腱反射の減弱や消失は重要な所見の一つであり、その評価は優先度が高い検査です。正しくは:これは優先度が高い検査項目です。選びやすい理由:感覚検査と同様に、神経障害の重要な指標として認識されているため、誤答として選びにくい選択肢です。混同注意:他の深部腱反射の評価。
国試ポイント
糖尿病の三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)とそのスクリーニング検査について、具体的な検査項目とそれぞれの目的・優先度を正確に理解しているかを問う問題です。特に、優先度の低いものを選ぶ形式で、一般的な知識だけでなく、各検査の臨床的意義を把握しているかが試されます。
混同注意
糖尿病が全身に影響を及ぼすため、様々な合併症の可能性は知っていても、その中で「優先度」という観点での順位付けができていないと迷いやすいです。特に、聴力障害も糖尿病との関連が指摘されるため、他の主要合併症と混同して優先度を高く見積もってしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、三大合併症以外の合併症(例:心血管疾患、脳血管疾患、歯周病、認知症など)に関連する検査や、治療介入の優先度を問う形で出題される可能性があります。また、具体的な検査方法(例:モノフィラメント検査、眼底OCTなど)の詳細を問う問題も考えられます。
関連知識
糖尿病の三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)の定義とそれぞれの主な症状、関連する検査項目。その他の合併症(大血管障害、足病変など)とその検査。生活習慣病としての糖尿病の管理全体。