標準予防策で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
標準予防策は、血液、体液、分泌物、排泄物、損傷のある皮膚、粘膜など、すべての患者さんの体液を感染性があるものとみなして取り扱う基本的な感染対策です。その実施内容の一つとして、患者さんの身体に直接触れた後だけでなく、患者さんの周辺環境(ベッド柵、医療機器など)に触れた後も、手指を介した微生物の伝播を防ぐために手指衛生を徹底することが求められます。これにより、医療関連感染のリスクを低減します。
選択肢ごとの解説
- 1. 標準予防策の主目的は、医療従事者が患者さんから感染するリスク、および患者さんから患者さんへの二次感染リスクの両方を低減することにあります。患者間の感染防止だけが主目的ではありません。正しくは:標準予防策は、患者から医療従事者への感染、および患者から他の患者への感染リスクを低減することを目的としています。選びやすい理由:医療機関における感染対策は患者間の感染防止が非常に重要であるため、この選択肢が正しそうに思えるかもしれません。混同注意:『接触感染予防策』や『飛沫感染予防策』など、特定の感染経路別予防策と混同しやすいですが、標準予防策はすべての患者に適用される基本的な感染対策です。
- 2. 滅菌手袋は外科的処置など特定の清潔操作で必要とされますが、標準予防策において日常的に必要なのは未滅菌の清潔手袋です。血液や体液に触れる可能性がある場合に着用します。正しくは:防護具として日常的に使用するのは未滅菌の清潔手袋であり、血液や体液に触れる可能性がある場合に着用します。選びやすい理由:医療現場での感染防止には徹底した清潔さが求められるため、「滅菌手袋」と聞くと正しそうに感じられます。混同注意:『滅菌手袋』と『清潔手袋(未滅菌手袋)』の使い分け、および『個人防護具(PPE)』の適切な選択基準と混同しやすいです。
- 3. 標準予防策において、汗は血液、体液、排泄物、分泌物、損傷のある皮膚、粘膜とは異なり、感染性があるとはみなされません。ただし、汗以外の体液が含まれる可能性や、皮膚の常在菌が存在するため、接触後は手指衛生が必要です。正しくは:患者さんの汗は感染性があるとはみなされませんが、他の体液が付着している可能性や皮膚常在菌の存在を考慮し、接触後は手指衛生が必要です。選びやすい理由:体液全般を感染性があるものと捉えがちですが、汗は例外です。混同注意:『感染性のある体液』の定義(血液、体液、分泌物、排泄物、非損傷皮膚でない粘膜など)と、『汗』がその中に含まれないという点。
- 4. 防護具の除去手順は、最も汚染されている可能性が高いものから、あるいは除去時に他の部位を汚染しないように行われます。一般的には、手袋、ガウン、眼の防護具、マスクの順に除去します。マスクは顔に最も近く、顔面への汚染リスクを避けるため後の方に外します。正しくは:使用後の防護具は、手袋、ガウン、眼の防護具、マスクの順に除去するのが一般的です。選びやすい理由:マスクが顔に直接触れているため、早く外してしまいたいという心理から、最初に外すのが自然だと錯覚するかもしれません。混同注意:『個人防護具(PPE)』の適切な着脱手順。特に汚染リスクの高いものを先に除去し、クリーンな部分を汚染しないようにする原則を理解する必要があります。
- 5. 正解。標準予防策において、患者さんの身体に直接触れた後だけでなく、患者さんの周囲の環境(ベッド柵、点滴スタンド、医療機器など)に触れた後も、手指を介した微生物の伝播を防ぐために手指衛生(手洗いまたはアルコール消毒)を行うことが極めて重要です。正しくは:正しい選択肢です。混同注意:『患者に直接触れた後』だけでなく、『患者環境に触れた後』も手指衛生が必要であるという点。
国試ポイント
この問題は、標準予防策の基本的な概念と具体的な実践内容に関する知識を問うものです。特に、『どの体液が感染性を持つとみなされるか』『個人防護具の適切な使用方法』『手指衛生のタイミング』といった点が繰り返し出題されます。誤答肢は、常識的な判断と専門知識とのズレを突く形で作成されることが多いです。
混同注意
標準予防策と感染経路別予防策(空気感染、飛沫感染、接触感染予防策)の違い。また、滅菌と清潔の区別、個人防護具(PPE)の正しい着脱順序、感染性体液の範囲。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、標準予防策の対象となる体液の範囲、PPEの着脱手順、手指衛生の『いつ・なぜ』を正しく理解しているかを確認します。特に、特定の体液(汗など)が感染性として扱われない点や、PPEの着脱順序が問われる可能性が高いです。
関連知識
医療関連感染(HAI)、手指衛生の5つのタイミング、個人防護具(PPE)の種類と選択基準、感染経路、滅菌と消毒の基礎知識、医療廃棄物の取り扱い。