尿検査項目とその検査結果が高値となる疾患との組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ミオグロビンは筋肉細胞に存在する酸素結合タンパク質であり、横紋筋の破壊(融解)が起こると血中へ逸脱し、その後腎臓から尿中へ排出されるため、尿中のミオグロビン値が高値となることは横紋筋融解症の重要な指標となります。横紋筋融解症では筋組織が損傷し、筋細胞の内容物が血液中に漏れ出すことで様々な症状を引き起こします。
選択肢ごとの解説
- 1. ケトン体は、糖質の利用が低下し脂肪がエネルギー源として過剰に分解される際に産生されます。代表的な疾患は糖尿病性ケトアシドーシスや飢餓です。膵炎は膵臓の炎症であり、直接ケトン体の産生亢進とは関連しません。正しくは:ケトン体 - 糖尿病性ケトアシドーシス、飢餓選びやすい理由:糖尿病の合併症として膵炎があることは事実ですが、ケトン体の上昇と膵炎の直接的な因果関係は薄いです。疾患名が一般的なため選びやすいかもしれません。混同注意:糖尿病の急性合併症(高血糖高浸透圧症候群など)
- 2. ビリルビンは、主に赤血球が破壊された後に生成される物質で、肝臓で処理され胆汁として排泄されます。高値を示す疾患は肝疾患(肝炎、肝硬変)や胆道閉塞、溶血性疾患などです。糖尿病は血糖値の異常が主であり、直接ビリルビン値の上昇とは関連しません。正しくは:ビリルビン - 肝炎、胆道閉塞、溶血性貧血選びやすい理由:糖尿病が様々な臓器に影響を与える疾患であるため、関連する可能性があると誤解されがちです。また、生活習慣病である糖尿病は認知度が高く、無難な選択肢に思えるかもしれません。混同注意:糖尿病の合併症(糖尿病性腎症、網膜症など)
- 3. アルブミンは肝臓で合成されるタンパク質であり、尿中に排出される場合は腎臓の機能障害(特に糸球体の透過性亢進)を示します。肝硬変では肝臓でのアルブミン合成能が低下するため、血中アルブミン値は低下しますが、尿中アルブミン値の上昇の主要な原因ではありません。正しくは:アルブミン - 糖尿病性腎症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群選びやすい理由:肝硬変でアルブミンが関係することは事実ですが、血中アルブミン値の低下と尿中アルブミン値の上昇を混同しやすいため誤りやすいです。肝臓病というキーワードに釣られやすいでしょう。混同注意:血中アルブミン値の低下(肝硬変)と尿中アルブミン値の上昇(腎疾患)
- 4. ヘモグロビンは赤血球に含まれる酸素運搬タンパク質であり、尿中に排出される場合は溶血性貧血や腎・尿路からの出血を示します。心筋梗塞は心臓の筋肉への血流が途絶えることで起こる疾患であり、直接尿中ヘモグロビンの上昇とは関連しません。正しくは:ヘモグロビン - 溶血性貧血、尿路結石、膀胱炎選びやすい理由:心筋梗塞という重篤な疾患名であり、全身に影響を及ぼす印象から、関連があると誤解されやすいです。心臓の病気と血液の成分が結びつけられることも原因かもしれません。混同注意:心筋梗塞のマーカー(トロポニンT、CK-MBなど)
- 5. 正解。ミオグロビンは筋肉細胞に存在するタンパク質であり、横紋筋が破壊される(横紋筋融解症)と血中へ逸脱し、腎臓から尿中へ排泄されるため尿中ミオグロビン値が高値となります。選びやすい理由:この組み合わせは直接的かつ正確な知識を問うものであり、他の選択肢が誤りであることが明確なため、正しいと判断できます。混同注意:尿中ヘモグロビン
国試ポイント
尿検査の主要項目と、それらが関連する代表的な疾患の組み合わせを正確に理解しておくことが重要です。特に、特定の物質がどの臓器や組織の障害と結びつくのかを把握することが求められます。
混同注意
尿中ミオグロビンと尿中ヘモグロビンは、どちらも尿の色が赤褐色を呈することがあり混同しやすいですが、ミオグロビンは筋肉由来、ヘモグロビンは赤血球由来と発生源が異なります。検査によって鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
尿検査項目と疾患の組み合わせ問題では、それぞれの検査項目が体のどの部位の異常を反映しているかを論理的に判断します。特に、物質の「産生源」や「代謝経路」と「排泄経路」に着目すると、適切な疾患との関連を見つけやすくなります。
関連知識
横紋筋融解症は、コンパートメント症候群、薬剤性(スタチンなど)、熱中症、過度な運動などが原因で発症し、急性腎不全を合併することがあります。尿中ミオグロビンだけでなく、血中CK(クレアチンキナーゼ)値も診断に有用です。尿潜血反応が陽性でも顕微鏡的血尿がない場合、ミオグロビン尿やヘモグロビン尿の可能性を考慮します。