内分泌異常と病態の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
副甲状腺機能が低下すると、血液中のカルシウム濃度が異常に低くなり(低カルシウム血症)、神経や筋肉の過剰な興奮性が生じ、これが原因でテタニー(手足のしびれや痙攣、筋肉の硬直)が発症します。この組み合わせは正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 先端巨大症は成長ホルモン(下垂体前葉ホルモンの一種)の過剰分泌によって引き起こされる病態であり、欠損によるものではありません。正しくは:下垂体前葉ホルモン過剰分泌と先端巨大症選びやすい理由:先端巨大症が下垂体前葉ホルモンと関連があるため、安易に選んでしまう可能性があります。混同注意:下垂体前葉ホルモンの『過剰』と『欠損』の区別。
- 2. Basedow病(バセドウ病)は甲状腺機能が亢進することで発症する病気であり、機能低下によるものではありません。正しくは:甲状腺機能亢進とBasedow病、または甲状腺機能低下と橋本病(慢性甲状腺炎)選びやすい理由:甲状腺疾患とBasedow病が強く結びついているため、機能の方向性を確認せずに選んでしまう可能性があります。混同注意:甲状腺機能亢進症(Basedow病)と甲状腺機能低下症(橋本病など)の区別。
- 3. 尿崩症は抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が不足したり、腎臓での作用が低下したりすることで発症します。抗利尿ホルモンの分泌亢進では、尿量が減少し、体液量が増加するSIADH(抗利尿ホルモン不適切分泌症候群)などがみられます。正しくは:抗利尿ホルモン分泌低下と尿崩症選びやすい理由:抗利尿ホルモンと尿崩症というキーワードが結びつきやすいため、分泌の方向性を確認せずに選んでしまう可能性があります。混同注意:抗利尿ホルモンの『亢進』と『低下』で、それぞれどのような病態が起こるかの区別。SIADHと尿崩症の病態生理の違い。
- 4. 正解。副甲状腺機能が低下すると、血液中のカルシウム濃度が低下(低カルシウム血症)し、神経や筋肉の興奮性が高まり、テタニー(強直性痙攣)が引き起こされます。選びやすい理由:正確な知識があれば迷わず選べる選択肢です。混同注意:特になし。正確な知識が求められます。
- 5. Cushing症候群(クッシング症候群)は、副腎皮質ホルモン(特にコルチゾール)が過剰に分泌されることで発症する病態です。副腎皮質機能低下では、Addison病(アジソン病)などがみられます。正しくは:副腎皮質機能亢進とCushing症候群、または副腎皮質機能低下とAddison病選びやすい理由:副腎皮質とCushing症候群というキーワードが結びつきやすいため、機能の方向性を確認せずに選んでしまう可能性があります。混同注意:副腎皮質ホルモンの『過剰』によるCushing症候群と、『低下』によるAddison病の区別。
国試ポイント
内分泌系の疾患において、特定のホルモンの『過剰』または『欠損・低下』が、どの具体的な病態を引き起こすかという因果関係を正確に理解しているかが問われています。類似した名称の疾患や、ホルモンとその作用が混同しやすいポイントが頻出します。
混同注意
ホルモンの分泌『亢進』と『低下』が、それぞれ異なる病態(例:甲状腺機能亢進症と低下症、尿崩症とSIADH、クッシング症候群とアジソン病など)と結びつく点を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず設問が「正しい組み合わせ」を問うているのか、「誤った組み合わせ」を問うているのかを確認します。次に、各選択肢において、提示された内分泌異常(ホルモン分泌の過剰/低下/欠損)が、本当にその病態を引き起こすのか、その因果関係を一つずつ冷静に吟味します。特に、ホルモン名と病名が関連していても、分泌の方向性が逆であるケースに注意が必要です。
関連知識
各内分泌腺(下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎など)から分泌される主要ホルモンの名称、その生理作用、そしてそれらのホルモンの過剰分泌や欠乏によって引き起こされる代表的な疾患について網羅的に学習しておく必要があります。特に、血液中の電解質(カルシウム、ナトリウムなど)とホルモンの関係は重要です。