理学療法士が行う院内感染対策として適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
理学療法士は、手指衛生、感染経路の把握、個人防護具の使用、院内ガイドラインの遵守など、患者と直接接触する業務の中で感染拡大防止に積極的に貢献する。しかし、感染症患者の病室配置の決定や管理は、医療機関全体の感染制御体制における医師や看護師長、感染管理専門職の役割であり、理学療法士の専門業務範囲外であるため、不適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 手指衛生は、医療従事者である理学療法士が感染源を媒介しないために最も基本かつ重要な感染対策であり、必ず実践すべき活動である。
- 2. 患者の感染症の種類に応じて適切な感染対策を講じるためには、その感染症がどのような経路で伝播するのかを理学療法士自身が正確に理解しておく必要がある。
- 3. 感染経路別予防策が必要な患者へのリハビリテーション実施時には、理学療法士も個人防護具(ガウン、手袋、マスクなど)を適切に着用・脱衣するガウンテクニックを習得し、実践する必要がある。
- 4. 病院全体の感染対策レベルを維持するためには、理学療法士を含む全ての医療従事者が、施設の定める感染対策ガイドラインや手順を遵守することが不可欠である。
- 5. 正解。感染症患者の病室配置の決定や管理は、医師、看護師長、または感染管理専門の部署(感染制御部など)の業務であり、理学療法士の専門業務の範囲外である。理学療法士は、リハビリテーションの実施計画を立てることはできても、患者の病室配置を直接管理する権限や責任はない。正しくは:この業務は、医師、看護師長、または感染制御部の専門職が行う。選びやすい理由:院内感染対策全体として見れば重要な項目であるため、理学療法士も関与すべきだと錯覚しやすい。しかし、「理学療法士が『行う』」という点に着目すると、その業務範囲外であることがわかる。混同注意:感染対策全般の重要性と、理学療法士固有の職務範囲を混同しやすい。
国試ポイント
理学療法士の院内感染対策における具体的な役割と職務範囲を正確に理解しているかを問う問題。一般的に重要な感染対策であっても、「理学療法士が直接行う」活動であるかどうかを判断する能力が求められる。
混同注意
院内感染対策全般の重要事項と、理学療法士の具体的な業務範囲を混同しやすい。例えば、病室配置管理が感染対策として極めて重要であるため、理学療法士も関わるべきと誤解する可能性がある。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が問われた際には、「理学療法士の専門性に基づいた直接的な介入か、それとも医療機関全体の管理運営に関する業務か」という視点で各選択肢を評価する。特に、「誰がその業務を主に担当するか」に着目する。
関連知識
医療関連感染(HAI)、標準予防策、感染経路別予防策(接触予防策、飛沫予防策、空気感染予防策)、個人防護具(PPE)の種類と使用法、医療従事者の役割分担、感染管理委員会、医療廃棄物処理。