病気の解説
中心性漿液性脈絡網膜症
別名:中心性漿液性網脈絡膜症、中心性漿液性網膜脈絡症
受診の目安
- 見ているものの中心がかすむ、暗く見える、ぼやけるとき(日本眼科学会)
- まっすぐな線がゆがんで見える、物が小さく・遠くに見えるとき(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)
- 色が薄く、くすんで見えるとき(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)
- ステロイド薬を使っている人で、見え方が変わったとき(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)
相談先は眼科です。見え方の変化はほかの目の病気でも起こるため、症状だけで病名を決めることはできず、眼底の検査などで確かめる必要があります(Cleveland Clinic)。ステロイド薬を使っている場合も、自分の判断で中止せず、処方した医師と眼科医に相談してください。
基本
中心性漿液性脈絡網膜症とは
目の奥で光を感じる網膜のうち、ものを見るのにいちばん大切な中心部分(黄斑)の下に水分がたまり、網膜が浮き上がってしまう病気です(日本眼科学会)。水分は網膜の外側にある脈絡膜という血管の多い層から漏れ出てくるとされます(Cleveland Clinic)。30〜50代の働き盛りの男性に多く、多くは片方の目に起こります(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
主な症状
- ものがゆがんで見える(変視症)
- 視野の中心がかすむ、暗い影がある
- 色が淡く、くすんで見える
- 物が実際より小さく、または遠くに見える
- 視力が少し下がる
(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)
目の痛みや充血はほとんどありません(日本眼科学会)。両目に起こることや、自覚症状がないこともあります(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
原因・なりやすい要因
はっきりした原因はわかっていませんが、ストレスやホルモンのバランスが関係すると考えられています。ストレスで出る副腎皮質ホルモンの影響で脈絡膜の血管から水分が漏れやすくなる、という説明がされています(日本眼科学会)。
- ステロイド薬:飲み薬・注射・吸入などのステロイド薬が引き金になることがあります(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
- 生活の要因:睡眠不足や過労、強いストレス(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)
- その他:妊娠、高血圧、睡眠時無呼吸などの睡眠の問題、自己免疫の病気なども関連する要因として挙げられています(Cleveland Clinic)。
検査と診断
診断
眼底検査で黄斑の浮き上がりを確かめ、光干渉断層計(OCT)という機械で網膜の断面を撮影して、水分のたまり方を調べます。造影剤を注射して眼底の写真を撮る検査(蛍光眼底造影)で、水分が漏れている場所を確認することもあります(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
治療
治療
自然に水分が引いて治ることが多いため、はじめは治療をせずに経過をみるのが一般的です。その間は、ストレスや睡眠不足を減らすことが勧められます(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
- 長引く・くり返す場合:数か月たっても治らないときや再発をくり返すときに治療を考えます(日本眼科学会)。
- レーザー光凝固:漏れている場所が黄斑の中心から離れている場合に、漏れを止めるために行います(日本眼科学会)。
- 光線力学的療法(PDT):薬と弱いレーザーを組み合わせて脈絡膜の異常な血流を抑える治療で、慢性の場合に使われます。日本では保険が使えない治療とされています(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
- 飲み薬:脈絡膜の状態を整える目的で薬が使われることがありますが、保険適用外とされています(日本眼科学会)。
関係していると考えられる薬がある場合は、中止できるかどうかを医師と相談します(Cleveland Clinic)。
日常生活の注意・セルフケア
治療中は、医療機関の指示を最優先にしてください。
- 十分な睡眠をとり、過労を避けます(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
- ストレスを減らす工夫をします(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。
- カフェインやお酒を控えめにすることも勧められています(Cleveland Clinic)。
経過と生活
経過
多くは自然に治り、網膜の浮き上がりが引けば視力も回復することが多いとされます(日本眼科学会)(Cleveland Clinic)。一方で、再発をくり返したり長引いたりすると、網膜が傷んで見え方が元に戻らないことがあります(日本眼科学会)。同じ目や反対の目に再発することもあるため、眼科での定期的な診察が勧められます(Cleveland Clinic)。
眼科で扱うほかの病気
出典
日本眼科学会「中心性漿液性脈絡網膜症」 / Cleveland Clinic「Central Serous Retinopathy」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。