病気の解説
多発性汗腺膿瘍
受診の目安
多発性汗腺膿瘍では、乳幼児の顔・頭・背中・おしりなどに、約1センチ程度の膿を含んだ赤い皮疹が多発します。症状が強い・急に悪化する・なかなか治らないときは、早めに皮膚科を受診してください。気になるときは放置せず相談してください。
基本
概要
多発性汗腺膿瘍は、主に乳幼児の顔や頭、背中、おしりなどに見られる皮膚の感染症です。あせもに細菌が入り込むことで起こり、皮疹には膿がたまり痛みを伴います。治療には抗菌薬の内服や塗り薬が使われ、貯留した膿が多い場合は切開して膿を出すことがあります。汗をかきやすい環境を避けるなど、環境のケアも大切です。
主な症状
乳幼児の顔・頭・背中・おしりなどに、約1センチ程度の膿を含んだ赤い皮疹が多発します。痛みがあり、押すと痛みが強くなります。膿が多くなると皮疹はブヨブヨとした水っぽい感じになります。感染が重症になると発熱や首のリンパ節の腫れなどがみられることもあります。放置すると膿瘍が大きくなり深い場所へ広がることがあり、治癒後にくぼみの瘢痕が残ることもあります。言葉を話さない乳幼児では不機嫌や夜泣き、哺乳力の低下などが見られることがあります。
原因
エクリン汗腺が閉塞しやすい乳幼児の状態で、汗が皮膚表層や表皮内にとどまり炎症を起こすことがあります。閉塞したエクリン汗腺が原因となり、そこに常在菌の黄色ブドウ球菌が感染して膿疹ができるのが多発性汗腺膿瘍の要因とされています。
病態
皮膚には汗腺があり、エクリン汗腺は発汗で体温を調節します。乳幼児では汗腺の構造や働きが未熟なため、汗が皮膚の内部にたまり閉塞が生じやすくなります。その結果、炎症を伴う小さな発疹(汗疹)ができ、これが掻きむしられると黄色ブドウ球菌が感染して多発性汗腺膿瘍へ発展することがあります。
検査と診断
診断
診断は主に視診で行われます。毛包炎など他の膿性皮膚疾患との鑑別が必要になることがあります。膿疱からとれた膿を培養して黄色ブドウ球菌の存在を確認すると鑑別に役立ちます。
治療
治療
抗菌薬の内服や塗り薬が基本的な治療です。貯留した膿が多く自然排出が難しい場合には、皮膚を切開して膿を排出することがあります。環境的には汗が溜まりにくいよう室温調節や着替え、入浴時の清潔な洗浄、爪を短く保つなどのケアも重要です。
皮膚科で扱うほかの病気
出典
参考: Medical Note(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。