病気の解説
悪性高熱症
別名:悪性過高熱、悪性高熱
受診の目安
悪性高熱症は、全身麻酔で使う一部の吸入麻酔薬や筋弛緩薬によって起こる、体質(遺伝)による病気です。ふだんの生活では症状がないことが多く、麻酔中や手術直後に発症した場合は、手術室の医療チームがその場で対応します。
- 本人や血縁者が麻酔中に高熱などの重い反応を起こしたことがある場合は、手術や検査で麻酔を受ける前に、必ず主治医と麻酔科医に伝えてください。前もって分かっていれば、原因になる薬を避けて麻酔を行えます。
- 体質があるかどうかを調べる検査(筋肉の検査や遺伝子検査)について相談したいときは、麻酔科に相談してください。
- まれに、麻酔とは関係なく、体調が悪いときの激しい運動で重い反応が起こる型もあります。
症状だけで病名を判断することはできません。自己判断せず、医師の診察を受けてください。
出典:MedlinePlus Genetics: Malignant hyperthermia、広島大学大学院 麻酔蘇生学:悪性高熱症
基本
概要
悪性高熱症は、麻酔中または手術直後に起こることがある病気です。高い熱のほか、呼吸数や心拍数の増加、筋肉の硬さ(特にあご)などが見られることがあります。茶色い尿や血尿が出ることもあります。
主な症状
最初に現れやすい症状として、呼吸数の増加・心拍数の上昇・筋肉の硬直が挙げられます。体温は40℃以上になることがあり、43℃を超えることもあります。吐き気や嘔吐、不整脈、茶色い尿や血尿がみられることがあります。
検査と診断
診断
麻酔を行った後に典型的な症状が数分から数時間以内に現れた場合、悪性高熱症を疑います。血液検査やミオグロビン尿の尿検査で臓器障害の有無を調べます。家族歴や過去の副作用の情報を基に検査を受けることがあります。筋肉組織のサンプル検査(カフェイン・ハロタン拘縮試験)や遺伝子検査も行われることがあります。遺伝子検査はすべての人を判別できず、いつでも実施できるわけではありません。
治療
治療
悪性高熱症では、服を脱がせて体を水につけたり氷で冷やしたりして、できるだけ早く体温を下げます。扇風機で風を送ることもあります。集中治療室でこまめに体温を測定します。筋弛緩薬のダントロレンを投与することが多く、これにより筋肉の緊張と体熱の発生を抑えます。血液の凝固異常や臓器機能の障害があれば、それに合わせた治療を行います。ミオグロビン尿による腎障害を予防するため、大量の輸液に炭酸水素ナトリウムを加えることがあります。多くの人は早期の集中的な治療を受けても回復が難しいことがあります。
経過と生活
予防
高リスクと考えられる人には予防が行われます。これには、これまで悪性高熱症になったことがある人、遺伝子マーカーが陽性の人、家族に麻酔で問題が起きたことがある人などが含まれます。こうした人では可能な場合、局所麻酔や区域麻酔を選択します。全身麻酔を使う必要がある場合には、反応を引き起こす可能性が最も低い麻酔薬を選ぶことがあります。
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出典
参考: MSD Manuals 家庭版(日本語)(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:MedlinePlus Genetics: Malignant hyperthermia / 広島大学大学院 麻酔蘇生学:悪性高熱症(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。