病気の解説
肺胞微石症
受診の目安
- 健康診断や別の病気の検査で、胸のエックス線やCTに両方の肺に広がる細かい影があると言われたとき(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)
- 体を動かしたときの息切れや、長引くせきが続くとき(MedlinePlus Genetics)(小児慢性特定疾病情報センター)
- せき・くしゃみ・深呼吸で強まる胸の痛みがあるとき(MedlinePlus Genetics)
- きょうだいなど家族にこの病気と診断された人がいるとき(家族の検診で見つかることが多いとされます)(小児慢性特定疾病情報センター)
相談先は呼吸器内科、子どもの場合は小児科です。肺に広がる影や息切れは多くの肺の病気でみられるため、症状や画像だけで病名を決めることはできません。専門の医療機関で詳しい検査を受けましょう。
基本
肺胞微石症とは
肺胞微石症は、肺の奥にある小さな袋(肺胞)の中に、リン酸カルシウムでできたごく小さな石(微石)が少しずつたまっていく、生まれつきの体質による病気です(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。たまった石によって肺胞やそのまわりの組織が傷つき、長い年月をかけて呼吸の働きが落ちていくことがあります(MedlinePlus Genetics)(小児慢性特定疾病情報センター)。間質性肺疾患の一つに分類されます(MedlinePlus Genetics)。非常にまれな病気ですが、日本は報告の多い国の一つとされています(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。
主な症状
子どものころは症状がないことが多く、胸のエックス線の異常や家族の検診をきっかけに見つかることがよくあります(小児慢性特定疾病情報センター)。症状が出てくると、次のようなものがみられます(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。
- 体を動かしたときの息切れ
- 長く続くせき
- 胸の痛み(せきや深呼吸で強まることがある)
- 血液中の酸素が少なくなる(低酸素血症)
多くは何年もかけてゆっくり進みますが、長い期間症状が変わらない人もいます(MedlinePlus Genetics)。
原因
原因は SLC34A2 という遺伝子の変化と考えられています(小児慢性特定疾病情報センター)(MedlinePlus Genetics)。この遺伝子は、肺胞の細胞でリン(リン酸)を取り込む役目のたんぱく質をつくります。その働きが失われると、肺胞の中にリン酸がたまり、カルシウムと結びついて微石ができると考えられています(MedlinePlus Genetics)。
遺伝のしかたは常染色体潜性(劣性)遺伝で、両親から1つずつ変化した遺伝子を受け継いだときに発症します。両親は症状のない保因者であることが多いとされます(MedlinePlus Genetics)(小児慢性特定疾病情報センター)。
検査と診断
診断
次のような検査を組み合わせて診断されます(小児慢性特定疾病情報センター)。
- 画像検査:胸のエックス線やCTで、両方の肺に左右対称に広がる細かい砂粒のような影がみられます。
- 微石を確かめる検査:たん、肺を洗った液、肺の組織の一部などを調べ、特徴的な層状の微石を確認します。
- 遺伝子検査:SLC34A2遺伝子の変化を調べます。
家族にこの病気の人がいることが明らかな場合は、画像検査の所見をもとに診断されることもあります(小児慢性特定疾病情報センター)。
治療
治療
現在のところ、効果が確かめられた治療法はないとされています(小児慢性特定疾病情報センター)。呼吸の働きが落ちた場合には、自宅で酸素を吸入する在宅酸素療法など、症状をやわらげる治療が行われます(小児慢性特定疾病情報センター)。一部の薬や肺移植が有効だったという報告もありますが、治療法として確立したものではありません(小児慢性特定疾病情報センター)。
経過と生活
経過
大規模な調査にもとづく経過のデータはまだありません。子どものころは症状なく過ごせることが多い一方、大人になって呼吸の症状が出てくると、その後の経過は良くないことが多いと考えられています(小児慢性特定疾病情報センター)。また、肺以外にも、腎臓・胆のう・精巣・心臓の弁(大動脈弁)などにリン酸カルシウムがたまることがあり、まれに大動脈弁が狭くなることもあるとされます(MedlinePlus Genetics)。定期的に専門医の診察を受けることが大切です。この病気は小児慢性特定疾病の対象になっています(小児慢性特定疾病情報センター)。
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出典
小児慢性特定疾病情報センター「肺胞微石症 概要」 / MedlinePlus Genetics「Pulmonary alveolar microlithiasis」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。