病気の解説

チフス

別名:窒扶斯

まず相談する診療科感染症内科
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受診の目安

  • 海外の流行地域への渡航後や、ノミ・シラミがいる環境、ネズミや野良猫などの動物と接したあとに、急な発熱や頭痛が出たとき(CDC)(東京都)
  • 熱に加えて発疹が出てきたとき、意識がぼんやりするなど様子がおかしいとき(東京都)(CDC)

相談先は内科(可能であれば感染症内科)です。受診の際は、渡航先や、ノミ・シラミ・動物と接した可能性を医師に伝えてください(CDC)。初めのうちの症状はほかの多くの感染症と似ており、症状だけで病名を判断することはできません(CDC)。

基本

チフスとは

ここでいうチフスは、リケッチアと呼ばれる細菌の仲間が、シラミやノミなどの小さな虫を介して人にうつる感染症のグループです(CDC)。代表的なものに、コロモジラミが運ぶ発疹チフス(流行性チフス)と、ノミが運ぶ発疹熱(英語では murine typhus、endemic typhus と呼ばれ、どちらも同じ病気です)があります(CDC)。ダニの幼虫(ツツガムシ)が運ぶ scrub typhus も同じグループに入り、日本では「つつが虫病」と呼ばれます(CDC)。名前が似ていますが、腸チフスは別の病気です(東京都)。

主な症状

共通して多いのは、発熱と頭痛です。発疹が出る場合もあります(CDC)。

  • 発疹チフス:前ぶれなく突然の高い熱で始まり、頭痛や背中・足の筋肉痛を伴います。熱が出て数日たつと、胴体の上のほうから発疹が出て全身に広がりますが、顔・手のひら・足の裏には通常出ません。意識がぼんやりすることがあり、重い場合は意識がなくなることもあるとされます(東京都)。
  • 発疹熱:熱や寒け、体の痛み、頭痛、食欲低下、吐き気、腹痛、せきなどがみられます。発疹は患者の約半数に出るとされます。治療で多くは完全に治りますが、治療しないと熱が長引き、重くなることがあります(CDC)。

原因・なりやすい要因

  • 発疹チフス:病原体はコロモジラミのふんに多く含まれ、かまれた傷などから体に入ります(東京都)。体を洗ったり着替えたりできない、人が密集した環境で広がりやすいとされます(CDC)。人から人へ直接うつることはありません(東京都)。日本ではすでに根絶されたとされています(東京都)。
  • 発疹熱:ネズミや猫などにつくノミが病原体を運びます。ノミのふんが傷口に入ったり、目に入ったりすることでも感染します。かまれた覚えがない人がほとんどです。人から人へはうつりません(CDC)。

また発疹チフスにかかった人の中には、何年もたってから軽い形で再び発症する人がいます(ブリル・ジンサー病)(CDC)(東京都)。

検査と診断

診断

渡航歴や虫・動物との接触の有無を確かめたうえで、血液検査で病原体やそれに対する抗体を調べます(CDC)(東京都)。抗体の検査は結果が出るまでに時間がかかり、病気の初めには陽性にならないこともあるため、疑わしい場合は結果を待たずに治療を始めることがあります(東京都)(CDC)。発疹チフスは、診断した医師が直ちに保健所へ届け出る決まりの感染症です(東京都)。

治療

治療

抗菌薬(主にドキシサイクリンなどテトラサイクリン系の薬)で治療します(CDC)(東京都)。CDCは、ドキシサイクリンは子どもを含むあらゆる年齢で使用できるとしています(CDC)。早く治療を始めるほど効果があり、早期に治療を受けた人は多くが速やかに回復するとされます(CDC)。

経過と生活

予防

日本で使えるワクチンはないため、虫を避けることが予防の中心です(CDC)(東京都)。

  • 定期的に入浴し、清潔な衣類に着替えます。シラミがついた衣類や寝具は熱で処理し、他人と共用しないようにします(CDC)(東京都)。
  • ペットのノミ対策をし、ネズミが住みつかないよう食べ物をしまい、ごみを管理します(CDC)。
  • 野良猫や野生動物に餌を与えたり触ったりするのは避けます(CDC)。

いずれも、治療や予防の方法は医療機関の指示を優先してください。

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出典

CDC「About Typhus Fevers」 / CDC「Flea-borne (Murine) Typhus」 / CDC「Epidemic Typhus」 / 東京都感染症情報センター「東京都感染症マニュアル 発疹チフス」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。