病気の解説

線維性骨異形成

まず相談する診療科整形外科
この解説の項目8項目

受診の目安

  • はっきりした理由のない骨の痛みが続く、または強くなってきたとき
  • 軽くぶつけた程度で骨折した、骨折をくり返すとき
  • 脚の長さに左右差がある、脚が曲がってきた、歩き方がおかしい(足を引きずる)とき
  • 顔の形の左右差が目立ってきた、鼻づまりが長く続く、見えにくさや聞こえにくさが出てきたとき
  • 別の理由で撮ったレントゲンで、骨の異常を指摘されたとき

まずは整形外科に相談するのが一般的です。顔や頭の骨に病変がある場合は歯科口腔外科・耳鼻咽喉科・眼科、ホルモンの異常が疑われる場合は内分泌内科も関わります(NIAMS)。骨の痛みや骨折はさまざまな病気で起こるため、症状だけで病名を判断することはできません。

基本

線維性骨異形成とは

本来の骨の一部が、傷あとのような線維性の組織に置きかわり、その部分の骨が弱くなる病気です(NIAMS)。がんではない病変で、他の骨へ広がっていくものではないとされます(NIAMS)。病変が1本の骨だけのこともあれば、複数の骨にみられることもあり、皮膚やホルモンの異常を伴う場合は「マッキューン・オルブライト症候群」と呼ばれます(NIAMS)(NIDCR)。めずらしい病気で、子どもや若い人の時期に見つかることが多いとされます(NIAMS)。

主な症状

症状の程度は幅広く、まったく自覚がないまま、ほかの目的で撮ったレントゲンで偶然見つかる人もいます(NIAMS)。病変が1本の骨だけの場合は症状が少ないことが多く、複数の骨にあると症状が出やすい傾向があります(NIAMS)。

  • 骨に関する症状:骨の痛み、骨折しやすさ、骨の変形。太ももの骨が曲がることが多く、脚の長さの左右差や歩きにくさにつながることがあります。背骨が曲がる(側弯)こともあります(NIAMS)(NIDCR)。
  • 頭や顔の骨に病変がある場合:顔の左右差、長引く鼻づまりがみられることがあります。目や耳の近くの骨に及ぶと、まれに視力や聴力が落ちることがあります(NIAMS)。歯並びの乱れなど、歯の問題が出ることもあります(NIDCR)。
  • マッキューン・オルブライト症候群を伴う場合:ふちがギザギザした茶色いあざ(カフェオレ斑)や、早すぎる思春期、甲状腺の働きすぎなど、ホルモンに関わる症状がみられることがあります(NIDCR)(MedlinePlus Genetics)。

原因・なりやすい要因

おなかの中で赤ちゃんが育つ早い段階に、ある遺伝子(GNAS遺伝子)に変化が起こることが原因とされます(MedlinePlus Genetics)(NIAMS)。この変化は体の一部の細胞にだけ生じるため、変化をもつ細胞の多さや場所によって症状の出方が変わります(MedlinePlus Genetics)(NIDCR)。

親から受け継ぐものではなく、子どもに遺伝することもないとされます(NIAMS)(MedlinePlus Genetics)。なぜこの変化が起こるのかはわかっておらず、妊娠中の母親の行動で防げるものでもありません(NIAMS)。人種・性別・住む地域などで起こりやすさは変わらないとされます(NIAMS)。

検査と診断

診断

診察に加えて、主に画像検査で骨の状態を調べます。レントゲンが基本で、頭や顔の骨を詳しく見るときにはCTやMRIが使われます。全身のどの骨に病変があるかを調べる骨シンチグラフィ(骨スキャン)や、組織を少し取って顕微鏡で調べる骨生検が行われることもあります(NIAMS)。ホルモンの状態を確かめる血液検査や、必要に応じて遺伝子検査、視力・聴力の検査が加わることもあります(NIDCR)。

治療

治療

病気そのものを根本から治す方法はまだなく、骨折の予防と治療、強い変形の矯正、痛みの軽減が治療の中心になります(NIAMS)(NIDCR)。

  • 経過観察:症状がなく、骨折のおそれも低い場合は、治療をせず定期的に様子をみることがあります(NIAMS)。
  • 手術:骨折の治療や予防、側弯や骨の変形の矯正のために行われます(NIAMS)。
  • 薬:痛みを和らげる薬が使われることがあります。骨の痛みに対してビスホスホネートという薬が使われることがありますが、歯科処置のあとにあごの骨の治りが悪くなる危険を高めることがあるため、歯科を受診するときは服用していることを伝えるよう勧められています(NIDCR)。ホルモンの異常があれば、その治療も行います(NIAMS)。
  • リハビリ・装具:理学療法で筋力や関節の動きを保ったり、ギプスや装具で骨を守ったりします(NIAMS)。

関わる部位が多いため、整形外科・内分泌内科・歯科・眼科・耳鼻咽喉科などが連携して診ることが多いとされます(NIAMS)(NIDCR)。

日常生活の注意・セルフケア

生活上の注意は、主治医の指示を優先してください。

  • 症状が落ち着いていても、定期的な受診を続けます(NIAMS)(NIDCR)。頭や顔の骨に病変がある人は、視力や聴力の定期的な確認も勧められています(NIDCR)。
  • どんな運動なら安全かは、主治医や理学療法士に確認してから行います(NIAMS)。
  • カルシウム・ビタミンDなどのサプリメントを使うかどうかは、自己判断せず医師に相談します(NIAMS)。

経過と生活

経過

軽い場合は生涯ほとんど困らないこともある一方、重い場合はほぼ全身の骨に及ぶこともあり、経過は人によって大きく異なります(NIDCR)。病変ががん(悪性)に変わることはごくまれとされます(NIAMS)(MedlinePlus Genetics)。

整形外科で扱うほかの病気

出典

NIAMS「Fibrous Dysplasia」 / NIDCR「Fibrous Dysplasia/McCune-Albright Syndrome」 / MedlinePlus Genetics「McCune-Albright syndrome」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。