病気の解説

肝類洞閉塞症候群

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受診の目安

肝類洞閉塞症候群では、みぞおち右側の痛み(右季肋部痛)、肝臓の腫れ、黄疸、お腹に水がたまる腹水貯留、原因不明の体重増加が主な症状として挙げられています。症状が強くなる・日常生活に支障が出る・経過や治療に不安があるときは、消化器内科に相談してください。通院中の方は自己判断で治療を中断しないでください。

基本

概要

肝中心静脈閉塞症/類洞閉塞症候群(VOD/SOS)は、造血細胞移植後の合併症のひとつです。肝臓の毛細血管である類洞が血栓でふさがれ、肝細胞に影響が出ると発症します。代表的な症状には、右みぞおち付近の痛み、肝腫大、黄疸、お腹に水がたまる腹水貯留、体重増加などがあります。発症時期は移植後早期が多いですが、遅発性のケースもあるとされています。発症頻度は報告により幅があります。軽症では対症療法で改善することもありますが、重症になると多臓器不全へ進展することがあります。

主な症状

みぞおち右側の痛み(右季肋部痛)、肝臓の腫れ、黄疸、お腹に水がたまる腹水貯留、原因不明の体重増加が主な症状として挙げられています。

原因

原因として、移植前処置に含まれる大量の化学療法や全身放射線、免疫抑制剤の使用、生着などが考えられています。移植関連因子、患者・疾患関連因子、肝臓関連因子、小児特有の因子など、さまざまな要因が関係するとされています。

病態

類洞と呼ばれる肝臓の毛細血管が血栓でふさがれて血流が障害されることで、周囲の肝細胞がダメージを受け発症します。

リスク因子

発症の危険因子として、移植関連因子(同種移植、非血縁ドナー、前処置、移植回数)、患者・疾患因子(成人の高齢、生活習慣病、全身状態、血栓の傾向など)、肝臓関連因子(肝機能の異常、放射線照射歴、特定薬剤の投与歴、鉄過剰)、小児特有の因子があります。

検査と診断

診断

最も確実な診断法は肝臓の一部を採取して病理診断することですが、発症時期が移植直後で採取が難しいため、血液検査だけでなく、黄疸・肝腫大・腹水・体重増加などの臨床所見を総合して診断します。ボルチモア基準やシアトル基準、遅発性発症を含む新しい基準、超音波検査やエラストグラフィーの利用などが挙げられています。

治療

治療

治療としてデフィブロチドが保険承認されています。ほかにはメチルプレドニゾロンの報告もありますが免疫抑制効果が強く感染症に留意が必要です。遺伝子組み換え型トロンボモジュリン製剤などの検討も報告されていますが、効果は確立されておらず出血副作用も報告されています。

経過と生活

予防

予防として、移植前処置前に発症リスクを評価し、最適な移植法を選ぶことが重要です。 UDCA(ウルソデオキシコール酸)は予防薬として注目されています。UDCA投与ありで発症割合が低下する報告と、報告のばらつきがある報告があります。なおUDCAの予防は保険適応外です。他にもヘパリン類や一部薬剤が用いられることがありますが、欧米のガイドラインで推奨されているわけではありません。

経過・予後

VOD/SOSは移植後早期に発症することが多いですが、遅発性発症もあります。発症頻度は報告により5%から50%以上と幅があり、診断基準の違いが要因とされています。

経過・予後

発症が重症化すると多臓器不全を招き、死亡につながる可能性があります。完全な予防法や治療法が確立されていない現状です。

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出典

参考: 8-5. 肝中心静脈閉塞症/肝類洞閉塞症候群(VOD/SOS)|一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。