病気の解説

高血圧合併妊娠

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緊急性の高い症状

妊娠中の高い血圧は、けいれん発作(子癇)を起こすことがあり、重大な合併症とされています(MSDマニュアル家庭版)。

  • 妊娠中や出産後に、けいれんを起こした

このようなときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。

出典:MSDマニュアル家庭版「妊娠中の高血圧」

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

  • 高血圧の治療を受けている方が妊娠を考えたとき、または妊娠がわかったときは、早めに高血圧の主治医と産婦人科に相談してください。降圧薬の中には、赤ちゃんへの影響があるため妊娠中は使わない種類があります(MSDマニュアル家庭版)(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。ただし、自己判断で薬をやめずに、必ず医師と相談してください。
  • 妊娠20週以降に、薬を飲んでも治まらない頭痛、かすんで見える・チカチカする・光がまぶしいといった見え方の変化、右上のおなかの痛み、新たな吐き気や嘔吐、顔や手の急なむくみがあるときは、すぐにかかっている産科に電話で相談してください。出産後にも同じ症状が出ることがあります(MSDマニュアル家庭版「妊娠高血圧腎症と妊娠」)。
  • 血圧が180/110mmHg以上のときは、すぐに評価が必要とされています(MSDマニュアル家庭版)。自宅で測ってこの値を超えるときは、すぐに産科に連絡してください。

頭痛やむくみは妊娠中にほかの理由でも起こり、症状だけで病名は判断できません。気になるときは自己判断せず、医師に相談してください。

基本

高血圧合併妊娠とは

妊娠する前から血圧が高い場合や、妊娠20週より前に2回以上測って血圧が140/90mmHg以上の場合を「慢性高血圧」と呼びます(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。妊娠20週以降に初めて血圧が高くなる「妊娠高血圧」とは区別されます(MSDマニュアル家庭版)。慢性高血圧は妊娠全体のおよそ1〜5%にみられるとされています(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

慢性高血圧があると、妊娠中に重い問題が起こる危険が高くなるため、妊娠中を通して血圧や体の状態、赤ちゃんの育ちを注意深く確認していきます(MSDマニュアル家庭版)。

注意したい症状

慢性高血圧の人は、妊娠高血圧腎症が起こりやすいとされています(MSDマニュアル家庭版「妊娠高血圧腎症と妊娠」)。妊娠高血圧腎症のサインとして、次のような症状が挙げられています(同)。

  • なかなか消えない頭痛
  • かすんで見える、チカチカした光や点が見える、光がまぶしいなどの見え方の変化
  • 妊娠20週以降に新しく出てきた吐き気や嘔吐
  • 右上のおなかの痛み
  • 顔、手、指、首、足のむくみ

検査と診断

妊娠中の検査

  • 妊婦健診のたびに血圧を測ります。自宅での血圧の測り方の指導も受けます(MSDマニュアル家庭版)。
  • 腎臓や肝臓の働きを定期的に血液検査で調べます(MSDマニュアル家庭版)。尿たんぱくや血小板の数、目の奥(眼底)の検査なども行われます(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。
  • 赤ちゃんの育ちは超音波検査で確認します(MSDマニュアル家庭版)。妊娠28週ごろから月に1回程度くり返すのが目安とされています(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

治療

治療

  • 軽い〜中くらいの高血圧(140/90〜159/109mmHg):まず体を動かす量を控えるよう勧められることがあります。それでも下がらないときは、多くの専門家が降圧薬の使用を勧めています(MSDマニュアル家庭版)。
  • 重い高血圧(160/110mmHg以上):降圧薬で治療します。治療によって脳卒中などの危険が下がるとされています(MSDマニュアル家庭版)。複数の薬が必要になることや、入院が必要になることもあります(MSDマニュアル家庭版)(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。
  • 降圧薬には妊娠中も比較的安全に使えるものがある一方、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アルドステロン拮抗薬は赤ちゃんに悪い影響を与えるおそれがあるため、妊娠中は中止されます(MSDマニュアル家庭版)(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。薬の変更は必ず医師が判断します。

出産の時期:中くらい以上の高血圧では、妊娠37〜39週ごろの出産が一般的とされます。赤ちゃんの育ちが悪い場合や重い妊娠高血圧腎症がある場合は、さらに早く出産することがあります(MSDマニュアル家庭版)(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

経過と生活

起こりうる合併症

お母さんに起こりうること(MSDマニュアル家庭版)

  • 妊娠高血圧腎症(妊娠中に高血圧にたんぱく尿などが加わる状態)や、それに伴うけいれん発作(子癇)
  • HELLP症候群(赤血球が壊れる・肝臓の数値が上がる・血小板が減る状態)
  • 高血圧の悪化、脳卒中、腎不全、心不全
  • 常位胎盤早期剥離(出産前に胎盤が子宮の壁からはがれてしまう状態)

赤ちゃんに起こりうること(MSDマニュアル家庭版)

  • おなかの中での育ちが遅れる
  • 死産
  • お母さんや赤ちゃんの合併症を防ぐため、予定より早く出産する必要が出ることがある

血圧がとても高い場合や腎臓の働きが落ちている場合は、経過が悪くなりやすいとされています(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

出産後

妊娠高血圧腎症は出産後に起こることもあります。出産後しばらくは、少なくとも1〜2週間ごとに受診して血圧を確認することが勧められています(MSDマニュアル家庭版「妊娠高血圧腎症と妊娠」)。出産後の血圧の管理や薬については、担当の医師の指示に従ってください。

産婦人科で扱うほかの病気

出典

MSDマニュアル家庭版「妊娠中の高血圧」 / MSDマニュアル プロフェッショナル版「妊娠中の高血圧」 / MSDマニュアル家庭版「妊娠高血圧腎症と妊娠」
内容の確認日:2026-10-16(次回確認予定 2027-04-16)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。