混濁尿は透明化処理で鑑別が可能である。処理方法と対象となる混濁の原因の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿の混濁原因には様々なものがあり、それぞれに応じた透明化処理を行うことで鑑別が可能です。リン酸塩(アモルファスリン酸塩)による混濁は、酸性条件下で溶解するため、3%酢酸を添加すると透明化します。これは臨床検査における尿検査の基本的な知識です。
選択肢ごとの解説
- 1. 細菌による混濁は加温しても透明になりません。細菌は熱で溶解する性質がないためです。正しくは:加温で透明化するのは主に尿酸塩やアモルファスリン酸塩です。細菌を透明化するには、ろ過や遠心分離で除去する必要があります。選びやすい理由:混濁の原因として細菌は一般的であり、加温処理も簡単なため、なんとなく関連付けてしまうかもしれません。混同注意:尿酸塩やアモルファスリン酸塩が加温で透明化する点と混同する可能性があります。
- 2. 正解。リン酸塩(アモルファスリン酸塩)による混濁は、酸性条件下で溶解するため、3%酢酸を加えることで透明化します。
- 3. 尿酸塩は酸性尿中で析出しやすく、むしろ加温によって溶解して透明化します。10%塩酸の添加で透明化するわけではありません。正しくは:尿酸塩による混濁は、加温によって透明化します。選びやすい理由:「酸」というキーワードから、何らかの塩を溶解させると考えがちですが、尿酸塩は酸性で析出しやすい特徴があります。混同注意:リン酸塩が酸で溶解するのと混同する可能性があります。また、尿酸がアルカリ性で溶解する点と混同する可能性もあります。
- 4. 脂肪による混濁は、アルコールやエーテルなどの有機溶媒を加えることで透明化します。10%水酸化カリウム(強アルカリ)の添加は、脂肪の鹸化反応を引き起こす可能性がありますが、一般的な透明化処理ではありません。正しくは:脂肪による混濁は、アルコール・エーテル混合液の添加で透明化します。選びやすい理由:アルカリが特定の物質を溶解させる、という一般的な知識から選んでしまうかもしれません。混同注意:脂肪を溶解させる方法と混同したり、他の物質に対するアルカリの影響と混同する可能性があります。
- 5. シュウ酸塩(シュウ酸カルシウム)は、通常、希塩酸などの強酸で溶解しますが、アルコール・エーテル混合液では溶解しません。アルコール・エーテル混合液は脂肪を溶解させます。正しくは:シュウ酸塩による混濁は、希塩酸の添加によって溶解します。アルコール・エーテル混合液は脂肪を透明化する際に用います。選びやすい理由:アルコール・エーテル混合液が特定の混濁を透明化するという知識は正しいが、対象物質が誤っているため、知識が不完全だと選んでしまう可能性があります。混同注意:脂肪がアルコール・エーテルで透明化する点と混同する可能性があります。
国試ポイント
尿の混濁原因とその鑑別方法(透明化処理)に関する知識が問われています。特に、加温で透明化するもの(尿酸塩)、酸で透明化するもの(リン酸塩)、有機溶媒で透明化するもの(脂肪)の区別が重要です。
混同注意
尿酸塩とリン酸塩の鑑別方法(加温 vs 酸性化)はよく混同されます。また、脂肪とシュウ酸塩の溶解方法も誤りやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、尿の混濁が『病的なもの』か『生理的なもの』かの判断や、具体的な沈渣成分の顕微鏡所見との関連性を問われる可能性があります。
関連知識
尿の混濁原因としては、細胞成分(赤血球、白血球、上皮細胞)、塩類(尿酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩)、細菌、真菌、脂肪、粘液などがあります。それぞれの性状と鑑別方法を正確に理解しておくことが重要です。例えば、細胞成分や円柱は遠心分離で沈渣として分離されます。