インドシアニングリーン〈ICG〉試験で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ICG試験は、肝臓の機能を正確に評価するために、食物や他の薬物の影響を排除した条件で行う必要があります。そのため、早朝空腹時に実施するのが最も適切な方法とされています。これは多くの生化学検査における基本的な前処置です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ICG試験の正確な結果を得るためには、食物や他の薬剤がICGの代謝や血中濃度に影響を与えないよう、通常は早朝の空腹時(一般的に8時間以上の絶食)に実施することが原則とされています。これにより、肝機能の状態をより純粋に評価できます。
- 2. ICGは消化管からはほとんど吸収されないため、検査薬としては必ず静脈内に投与されます。正しくは:ICGは静脈内に投与します。選びやすい理由:一般的な内服薬の投与方法として経口投与が多いため、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:他の一般的な薬剤の投与経路や、消化管吸収を前提とする検査薬と混同しやすいです。
- 3. ICGは光に非常に不安定な物質であり、光に曝されると分解されてしまいます。そのため、保存時も使用時も遮光が必須です。正しくは:ICGは光に不安定であるため、遮光して保存・使用する必要があります。選びやすい理由:多くの試薬が光に対して比較的安定であるため、ICGもそうだと誤解しやすいためです。混同注意:光安定性を持つ他の薬剤や試薬と混同しやすいです。
- 4. ICG試験は、主に肝臓の血流量と肝細胞によるICGの取り込み・排泄能力(肝機能予備能)を評価するものであり、アルブミンや凝固因子などの肝臓の合成能力を直接評価する検査ではありません。正しくは:ICG試験は、主に肝血流量や肝機能予備能(肝細胞による取り込みと排泄能力)の評価に用いられます。選びやすい理由:肝機能検査の一部であるため、肝臓の全ての機能、特に代表的な肝機能である合成能も評価できると誤解しやすいです。混同注意:肝合成能を評価する検査項目(例:血清アルブミン値、プロトロンビン時間)と混同しやすいです。
- 5. ICG試験では、ICGの血中濃度が時間とともにどのように減少するかを追跡するため、ICG投与後、通常5分、10分、15分といった短い間隔で複数回採血を行います。1時間後ではICGのほとんどが排泄されており、正確な肝機能予備能の指標(R15値など)を得ることはできません。正しくは:ICG投与後、複数回(例:5分、10分、15分など)採血を行い、血中濃度の推移を測定します。選びやすい理由:他の負荷試験や薬剤濃度測定で特定の時間(例:1時間後)に1回だけ採血する検査もあるため、混同しやすいです。混同注意:血糖負荷試験や薬物動態学的な他の検査の採血スケジュールと混同しやすいです。
国試ポイント
インドシアニングリーン(ICG)試験は、肝血流量や肝機能予備能を評価する重要な検査です。国家試験では、その基本的な実施条件(空腹時、投与経路、遮光)、評価対象(肝合成能との違い)、採血方法(複数回採血)など、ICGの特性と検査手技に関する知識が問われることが多いです。
混同注意
ICG試験は肝機能検査の一部ですが、肝合成能(アルブミン、凝固因子など)と肝排泄能・肝血流量の評価目的の違いが混同されやすいです。また、ICGの投与経路(経口ではない)、光安定性(不安定である)、採血スケジュール(複数回採血)も誤解されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題された場合、ICGの化学的性質(分子量、タンパク結合、光に対する不安定性)、主な代謝経路(腎排泄しないこと)、主要な臨床指標(R15、Kic)、またはICGの投与が禁忌となる疾患(ヨード過敏症など)について問われる可能性があります。
関連知識
ICGは静脈内投与され、血中のアルブミンと結合し、肝細胞に取り込まれた後、胆汁中に排泄されます。腎臓からはほとんど排泄されないため、腎機能の影響を受けにくいのが特徴です。臨床では、肝硬変の重症度判定、肝切除術前の肝予備能評価、肝移植術後の機能評価などに用いられます。主な指標としては、15分残存率(R15)やICG消失率定数(Kic)などがあります。