肝細胞癌に対して特異性が高いのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
AFPとPIVKA-IIは、肝細胞癌の腫瘍マーカーとして特異性が高く、診断や治療効果判定に広く用いられます。AFPは胎児期に肝臓で産生される糖蛋白質で、肝細胞癌で高値を示します。PIVKA-IIはビタミンK欠乏時やビタミンK拮抗薬投与時に上昇する異常プロトロンビンですが、肝細胞癌細胞でも産生され、特異的なマーカーとして利用されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。AFP(α-フェトプロテイン)は、肝細胞癌の腫瘍マーカーとして広く用いられ、診断や治療効果判定に重要な役割を果たします。特に、肝炎や肝硬変を背景とする肝細胞癌で高値を示すことが多いです。胎児期に肝臓で産生される糖蛋白で、肝細胞癌細胞が再分化して産生することが知られています。選びやすい理由:肝細胞癌の代表的な腫瘍マーカーであるため、選択しやすいです。混同注意:他の消化器癌のマーカー(例:CEA、CA19-9)とは区別されますが、AFPは非腫瘍性の肝疾患(急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変)でも軽度上昇することがあるため、鑑別が必要です。
- 2. CA15-3は乳癌の腫瘍マーカーとして用いられ、主に乳癌の進行度評価や治療効果判定に利用されます。肝細胞癌に対して特異性はありません。正しくは:乳癌の腫瘍マーカーとして適切です。選びやすい理由:CAがつくため、一般的な腫瘍マーカーのいずれかとして選択肢に入っていると混同しやすいかもしれません。混同注意:CA19-9(膵癌、胆道癌など)、CA125(卵巣癌)など、他のCAシリーズの腫瘍マーカーと混同しやすいです。
- 3. 正解。PIVKA-II(protein induced by vitamin K absence or antagonist-II)は、ビタミンK欠乏時やビタミンK拮抗薬投与時に上昇する異常プロトロンビンですが、肝細胞癌細胞でも産生されるため、肝細胞癌の腫瘍マーカーとして特異性が高いとされています。特に、AFPが陰性を示す肝細胞癌において有用性が高い場合もあります。選びやすい理由:AFPと並んで肝細胞癌に特異性の高いマーカーとして、重要な選択肢です。混同注意:ビタミンKの欠乏やワルファリンなどのビタミンK拮抗薬の使用でも上昇するため、それらの影響を除外して評価する必要があります。
- 4. PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺癌の腫瘍マーカーとして用いられ、早期発見や治療効果判定に重要な役割を果たします。肝細胞癌に対して特異性はありません。正しくは:前立腺癌の腫瘍マーカーとして適切です。選びやすい理由:スクリーニング検査項目としても知られており、比較的有名な腫瘍マーカーであるため、選択肢に並ぶと選択されやすい可能性があります。混同注意:CEA(消化器癌全般)、AFP(肝細胞癌)など、他の一般的な腫瘍マーカーと混同しやすいです。
- 5. SLX(シアリルLex抗原)は、主に肺腺癌の腫瘍マーカーとして用いられ、特に進行肺癌での治療効果判定や再発モニターに利用されます。肝細胞癌に対して特異性はありません。正しくは:肺腺癌の腫瘍マーカーとして適切です。選びやすい理由:比較的知名度が低いマーカーであるため、どの癌腫に対応するかわからず、消去法で選んでしまう可能性があります。混同注意:CEA(消化器癌全般、肺癌など)、CA19-9(膵癌、胆道癌など)など、他の一般的な腫瘍マーカーと混同しやすいです。
国試ポイント
肝細胞癌の診断に用いられる主要な腫瘍マーカーは頻出事項であり、特にAFPとPIVKA-IIの組み合わせは重要です。他の癌腫の腫瘍マーカーとの鑑別も求められます。
混同注意
各腫瘍マーカーが対応する臓器と疾患。例えば、CA15-3は乳癌、PSAは前立腺癌、SLXは肺腺癌など。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、肝細胞癌と関連する腫瘍マーカーとしてAFPとPIVKA-IIが第一選択肢であることを確認し、他の選択肢がどの癌腫のマーカーであるかを識別できるかを確認します。
関連知識
肝細胞癌の診断には、画像診断(超音波検査、CT、MRI)と腫瘍マーカーの組み合わせが不可欠です。また、肝炎ウイルス(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)感染が肝細胞癌の主要なリスク因子であることも関連知識として重要です。