血漿カルシウムで正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
血漿中のカルシウムは複数の形態で存在しますが、生理学的な作用を示すのはイオン化カルシウムのみです。このイオン化カルシウムの測定には、その特異性を利用したイオン選択性電極法が用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。イオン化カルシウム(遊離型カルシウム)は、生体内で生理活性を持つ形態であり、その濃度を正確に測定するためには、他の結合型カルシウムの影響を受けないイオン選択性電極法が標準的に用いられます。
- 2. アルカレミア(血液がアルカリ性に傾く状態)では、血漿中のタンパク質(特にアルブミン)がより多くの水素イオンを放出し、その結果、カルシウムとの結合部位が増加します。これにより、イオン化カルシウムはタンパク質と結合しやすくなり、遊離しているイオン化カルシウム濃度は低下します。正しくは:アルカレミアの状態では、イオン化カルシウム濃度は低下します。選びやすい理由:pHとカルシウム結合の関係を逆にとらえている、またはアシデミアの場合と混同している受験生にとって魅力的な選択肢です。混同注意:アシデミア(血液が酸性に傾く状態)でイオン化カルシウムが上昇することと混同しやすいです。
- 3. 正解。血漿カルシウムには、イオン化カルシウム、タンパク質結合カルシウム、錯体形成カルシウムの3つの形態がありますが、神経伝達、筋収縮、血液凝固、ホルモン分泌など、生体内のほとんどの生理機能に直接関与し、調節を受けるのはイオン化カルシウム(遊離型カルシウム)のみです。
- 4. 総血漿カルシウムのうち、イオン化カルシウムが占める割合は、通常約45~50%です。30%は一般的な数値よりも低い割合です。正しくは:総血漿カルシウムの約45~50%がイオン化カルシウムとして存在します。選びやすい理由:各カルシウム形態の正確な割合を覚えていない場合、または他の結合型カルシウムの割合と混同している場合、誤って選択する可能性があります。混同注意:タンパク質結合型カルシウムや錯体形成型カルシウムの割合、あるいは全体的な割合に関する一般的な知識と混同しやすいです。
- 5. 血漿中のタンパク質結合型カルシウムの約80%はアルブミンと結合しており、残りの約20%がグロブリン(主にβ-グロブリンやγ-グロブリンの一部)と結合しています。α1-グロブリンが大部分を占めるという記述は誤りです。正しくは:血漿中のタンパク質結合型カルシウムの大部分はアルブミンと結合しています。選びやすい理由:タンパク質結合型カルシウムの存在は知っていても、主要な結合タンパク質がアルブミンであることを忘れている場合や、グロブリンも結合に関与するとの部分的な知識で正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:主要なカルシウム結合タンパク質がアルブミンであることと、グロブリンが一部結合することとの区別を混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、血漿カルシウムの主要な形態(イオン化カルシウム、タンパク質結合カルシウム、錯体形成カルシウム)に関する基本的な知識、特にそれぞれの生理的役割、測定方法、および臨床的な変動要因(例:pH変動)について正確な理解があるかを問うています。特に、生理活性型がどれであるか、その測定法、そしてpHによる影響は頻出テーマです。
混同注意
総カルシウムとイオン化カルシウムの違い、アシドーシスとアルカローシスがイオン化カルシウムに与える影響の方向性、カルシウムと結合する主要な血漿タンパク質(アルブミン vs グロブリン)を混同しやすいです。また、各形態の相対的な割合についても誤解が生じやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題される場合、血漿カルシウムの「総量」と「イオン化カルシウム」の違いをより深く問う問題や、イオン化カルシウムが血漿アルブミン値や腎機能によってどのように影響を受けるか、具体的な病態と関連付けた問題が予想されます。また、低カルシウム血症や高カルシウム血症の症状、および関連するホルモン異常についても知識が問われる可能性があります。
関連知識
血漿カルシウムの3つの主要な形態とその割合(イオン化カルシウム約50%、タンパク質結合カルシウム約40%(主にアルブミン)、錯体形成カルシウム約10%)、カルシウム恒常性の調節に関わるホルモン(副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD、カルシトニン)、低カルシウム血症および高カルシウム血症の主な原因と症状、カルシウム測定時の検体取扱いの注意点(pH、抗凝固剤の影響)。