非溶血性輸血反応と原因の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
輸血後移植片対宿主病(TA-GVHD)は、輸血された供血者由来のTリンパ球がレシピエントの組織を攻撃することで発症します。レシピエントの免疫状態が低下している場合や、HLA適合性が供血者とレシピエント間で不完全な場合にリスクが高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 高カリウム血症の原因は、輸血血液の保存に伴う赤血球からのカリウム漏出であり、クエン酸ではありません。クエン酸は低カルシウム血症の原因となります。正しくは:高カリウム血症輸血血液の保存によるカリウム漏出選びやすい理由:クエン酸は輸血製剤に含まれるため、何らかの輸血反応と結びつけてしまいやすいです。また、電解質異常という点で混同しやすいです。混同注意:クエン酸による低カルシウム血症
- 2. 輸血関連循環過負荷(TACO)は、輸血量の急速な増加や心機能低下により循環血液量が増大し、心不全をきたす反応です。抗白血球抗体は輸血関連急性肺障害(TRALI)の原因となります。正しくは:輸血関連循環過負荷輸血量の急速な増加、心機能低下選びやすい理由:抗白血球抗体も輸血反応の原因となり得るため、TACOと結びつけてしまいやすいですが、抗白血球抗体はTRALIの原因です。混同注意:輸血関連急性肺障害(TRALI)
- 3. アナフィラキシー反応は、輸血製剤中のアレルゲン(IgA欠損症患者に対するIgAなど)に対してレシピエントが産生したIgE抗体が反応することで起こるI型アレルギー反応です。不規則抗体は溶血性輸血反応や遅発性溶血性輸血反応に関与します。正しくは:アナフィラキシー反応輸血製剤中のアレルゲンに対するIgE抗体選びやすい理由:不規則抗体も輸血反応の原因としてよく知られているため、アナフィラキシー反応と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:溶血性輸血反応、遅発性溶血性輸血反応
- 4. 正解。輸血後移植片対宿主病(TA-GVHD)は、輸血された供血者由来の免疫担当リンパ球(Tリンパ球)がレシピエントの組織を異物と認識して攻撃することで生じます。これは正しい組合せです。選びやすい理由:輸血後GVHDは比較的稀な輸血反応でありながら、重篤であるため知識として持っていると選びやすいです。
- 5. 非溶血性発熱性輸血反応(FNHTR)の主な原因は、輸血製剤中の白血球から放出されるサイトカインや、レシピエントの抗白血球抗体と輸血製剤中の白血球が反応することです。規則抗体(ABO式血液型抗体など)は溶血性輸血反応の原因となります。正しくは:非溶血性発熱性輸血反応サイトカイン、抗白血球抗体選びやすい理由:規則抗体は輸血において最も基本的な抗体であり、何らかの輸血反応の原因となりやすいと考えられがちです。しかし、非溶血性発熱性輸血反応とは直接関係ありません。混同注意:溶血性輸血反応
国試ポイント
輸血反応の分類とそれぞれの主要な原因・機序を正確に理解し、区別して覚えることが重要です。
混同注意
溶血性輸血反応と非溶血性輸血反応の区別、および各非溶血性輸血反応の原因物質や機序の混同に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
非溶血性輸血反応が出題された場合、症状と選択肢にある原因物質や細胞(抗体、サイトカイン、リンパ球など)との因果関係が正しいかを確認して判断します。
関連知識
輸血関連急性肺障害(TRALI)は抗白血球抗体(特に抗HLA抗体、抗顆粒球抗体)が原因で発症することが多く、輸血関連循環過負荷(TACO)との鑑別が重要です。