ウイルスと疾患の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
この問題は、主要なウイルスとその代表的な疾患の組み合わせに関する基本的な知識を問うものです。ムンプスウイルスは流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の原因ウイルスであり、この組み合わせが正解です。他の選択肢は、ウイルスと疾患の組み合わせが誤っています。ロタウイルスは胃腸炎、RSウイルスは呼吸器感染症(細気管支炎)、アデノウイルスは咽頭結膜熱や流行性角結膜炎、コクサッキーウイルスは手足口病やヘルパンギーナなどが代表的な疾患です。重症熱性血小板減少症候群はSFTSウイルスが原因です。
選択肢ごとの解説
- 1. ロタウイルスは主に乳幼児の急性胃腸炎(下痢や嘔吐)を引き起こします。細気管支炎の主な原因ウイルスはRSウイルスです。正しくは:ロタウイルスによる急性胃腸炎選びやすい理由:ロタウイルスが乳幼児に多いウイルス感染症であるため、呼吸器系の感染症も起こしそうだと誤解する可能性があります。混同注意:ロタウイルスとRSウイルスの疾患部位(消化器系と呼吸器系)を混同しやすいです。
- 2. アデノウイルスは咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎、呼吸器感染症、一部は胃腸炎などを引き起こします。手足口病の主な原因ウイルスはコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型です。正しくは:アデノウイルスによる咽頭結膜熱選びやすい理由:アデノウイルスも小児に多い感染症を引き起こすため、手足口病もアデノウイルスが原因であると勘違いしやすいです。混同注意:アデノウイルスとコクサッキーウイルスの原因疾患を混同しやすいです。
- 3. ヒトRSウイルスは主に乳幼児の細気管支炎や肺炎といった呼吸器感染症を引き起こします。急性胃腸炎の主な原因ウイルスはノロウイルスやロタウイルスです。正しくは:ヒトRSウイルスによる細気管支炎選びやすい理由:RSウイルス感染症が冬場に流行することと、胃腸炎も冬場に流行することがあるため、関連があると考えてしまうことがあります。混同注意:RSウイルスとロタウイルス/ノロウイルスの疾患部位(呼吸器系と消化器系)を混同しやすいです。
- 4. 正解。ムンプスウイルスは、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の主要な原因ウイルスであり、耳下腺の腫脹を特徴とします。この組み合わせは正しいです。
- 5. コクサッキーウイルスは手足口病、ヘルパンギーナ、心筋炎などを引き起こすエンテロウイルスの仲間です。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルス(ブニヤウイルス科フレボウイルス属)によって引き起こされる疾患です。正しくは:コクサッキーウイルスによる手足口病選びやすい理由:コクサッキーウイルスもウイルス感染症であるため、他の重篤なウイルス性疾患と結びつけてしまう可能性があります。また、手足口病も発熱を伴うことがあるため、SFTSと関連があるように錯覚するかもしれません。混同注意:コクサッキーウイルスとSFTSウイルスの原因疾患を混同しやすいです。
国試ポイント
ウイルス学の基本として、主要なウイルスの名称、分類、感染経路、そして引き起こす代表的な疾患は頻出のテーマです。特に小児によく見られる感染症の原因ウイルスはよく問われます。正確なウイルス-疾患対応を覚えることが重要です。
混同注意
多くのウイルスが似たような症状(発熱、発疹など)を引き起こすことがあり、またウイルス名と疾患名が多岐にわたるため、混同しやすいです。特に、乳幼児に多い呼吸器疾患(RSV、アデノウイルス)と消化器疾患(ロタウイルス、ノロウイルス)の原因ウイルスの区別、発疹を伴う疾患の原因ウイルス(麻疹、風疹、水痘、手足口病など)の区別は重要です。
次に同じ論点が出たら
次回、同様の論点が出題された場合、選択肢の疾患が『どの臓器(呼吸器、消化器、皮膚など)を主に侵すか』『どの年齢層に多いか』『特徴的な症状は何か』といった観点から、それぞれのウイルスが引き起こす疾患を正確に識別できるかを確認すると良いでしょう。
関連知識
各ウイルスのDNA/RNAの種類、エンベロープの有無、ワクチン接種の有無、主な感染経路(飛沫、接触、経口など)も関連知識として重要です。また、病原診断における各ウイルスの検出法(PCR、抗原検査など)も合わせて学習しておくと良いでしょう。