初尿を用いて検索を行うのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
淋菌は主に性行為を介して感染し、男性では淋菌性尿道炎を引き起こします。尿道に感染した淋菌は、尿道の分泌物や剥がれ落ちた上皮細胞中に存在するため、最初の排尿である初尿に多く含まれます。これにより、尿道内の病原体を効率よく検出でき、診断の精度が高まります。中間尿では、膀胱内の菌の検出には適していますが、尿道内の局所的な感染の診断には初尿が優れています。
選択肢ごとの解説
- 1. カンジダアルビカンスは真菌性の尿路感染症の原因となることがありますが、その診断には通常、膀胱内の状態を反映する中間尿や導尿が適切な検査材料とされます。正しくは:尿路感染症の診断には、中間尿や導尿を用いて培養検査などを行います。選びやすい理由:真菌性の尿路感染症の原因菌として認識されているため、尿検体を用いるという点で選びやすいかもしれません。混同注意:一般的な細菌性尿路感染症の採尿法と、性感染症の局所病変を反映する初尿の採尿法の違いと混同しやすいです。
- 2. 大腸菌は最も一般的な尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)の主要な原因菌です。これらの感染症では、膀胱や腎臓からの菌を検出するため、尿道常在菌の混入が少ない中間尿が適切な検査材料とされます。正しくは:尿路感染症の診断には、中間尿の培養が最も重要です。選びやすい理由:尿路感染症と聞いて真っ先に思い浮かぶ菌であるため、深く考えずに選択してしまう可能性があります。混同注意:尿路感染症全般における検体採取法(中間尿が一般的)と、尿道炎に特化した検体採取法(初尿)の区別がついていないと混同します。
- 3. 正解。淋菌は尿道炎(性感染症)の主要な原因菌です。特に男性において、感染部位である尿道にいる菌を効率よく検出するためには、尿道からの分泌物や剥がれ落ちた上皮細胞が多く含まれる最初の排尿、すなわち初尿が最も適した検査材料となります。
- 4. 緑膿菌は日和見感染や病院内感染において尿路感染症を引き起こすことがありますが、カンジダアルビカンスと同様に、膀胱内の状態を反映する中間尿や導尿が検査材料として適切です。正しくは:尿路感染症の診断には、中間尿や導尿を用いて培養検査などを行います。選びやすい理由:他の選択肢と同様に尿路感染症の原因菌として知られているため、選びやすいかもしれません。混同注意:一般的な細菌性尿路感染症の採尿法と、性感染症の尿道炎に特化した採尿法の違いと混同しやすいです。
- 5. B群溶血連鎖球菌(GBS)は妊婦の膣や直腸に常在し、新生児感染の原因となるほか、尿路感染症の原因ともなりますが、尿路感染症としての検査には中間尿が一般的であり、初尿の特異的な適応は稀です。正しくは:尿路感染症の診断には、中間尿を用いて培養検査などを行います。妊婦のスクリーニングでは膣・直腸スワブが主な検体です。選びやすい理由:尿路感染症の起因菌として挙げられることがあるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:尿路感染症における検体採取法と、妊婦スクリーニングにおける検体採取法の違い、および初尿が適用される特定の状況(尿道炎など)の理解不足と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、微生物の種類とそれに応じた最適な検体採取法、特に「初尿」という特定の採尿法の意義を理解しているかを問うものです。性感染症の中でも尿道炎の原因菌である淋菌の特性と、それを診断するための適切な検体採取法(初尿)の関連性を把握していることが重要です。一般的な尿路感染症と性感染症における検体採取法の違いを区別できる必要があります。
混同注意
一般的な細菌性尿路感染症の起因菌(大腸菌など)と、性感染症である淋菌性尿道炎の起因菌に対する検体採取法の違いが混同されやすいです。特に「中間尿」が一般的な尿路感染症の検査材料として広く知られているため、初尿の特異性を理解していないと誤答しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、以下の点を確認して判断してください。1. 微生物の感染部位: その微生物が主に体のどの部位に感染するか。2. 感染症の種類: 一般的な尿路感染症か、性感染症か、あるいは他の感染症か。3. 検査の目的: 尿道内の病原体を直接検出したいのか、膀胱や腎臓からの病原体を検出したいのか。これらの情報を総合的に判断し、最適な検体採取法を選択します。特に「性感染症による尿道炎」の場合は「初尿」が重要なキーワードとなります。
関連知識
性感染症起因菌と検査材料:淋菌 (Neisseria gonorrhoeae): 初尿、尿道拭い液、子宮頚管拭い液などクラミジア (Chlamydia trachomatis): 初尿、尿道拭い液、子宮頚管拭い液などトリコモナス (Trichomonas vaginalis): 膣分泌液、尿(男性)梅毒トレポネーマ (Treponema pallidum): 血清(抗体検査)、潰瘍からの直接検出一般的な尿路感染症起因菌と検査材料:大腸菌 (Escherichia coli)、クレブシエラ (Klebsiella pneumoniae)、腸球菌 (Enterococcus faecalis) など:中間尿(培養)採尿法:初尿: 排尿開始直後の尿。尿道炎など尿道内の病原体検出に適する。中間尿: 排尿開始後の中間部分の尿。膀胱内の病原体検出に適する。尿道常在菌の混入を避ける。導尿: カテーテルを用いて直接膀胱から採取する尿。膀胱穿刺尿に次いで汚染が少ない。蓄尿: 一定時間(例:24時間)の尿を全て集める。ホルモンや代謝産物などの定量検査に用いる。