オモテ検査でB型、ウラ検査でO型と判定された。原因となるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
ABO式血液型検査でオモテ検査とウラ検査の結果が一致しない場合、その原因は多岐にわたります。本問題では「オモテ検査でB型、ウラ検査でO型」という矛盾に着目します。寒冷凝集素や不規則抗体(特に寒冷型)は、ウラ検査において被検者の血漿がA型またはB型血球と非特異的に反応し、抗A抗体や抗B抗体が存在しないにもかかわらず凝集を引き起こすことで、ウラ検査の判定を混乱させることがあります。例えば、O型の患者であれば抗A抗体と抗B抗体が陽性になるはずですが、これらが陰性に見える、あるいは非特異的な反応によってO型以外の型と誤認される、あるいは、本来の抗A/抗B反応をマスクして判定を難しくすることで、結果的にO型という誤判定につながる可能性があります。特に寒冷凝集素が強い場合、O型指示薬との非特異的反応により、血漿中に抗A、抗Bが検出されない(つまりO型と判断される)誤りを引き起こすことがあります。また、不規則抗体がウラ検査の指示薬に反応し、本来のABO型判定を妨げ、結果的にO型という見かけの判定をもたらすことがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 後天性B抗原が出現すると、A型やO型の患者の赤血球が抗B血清と凝集し、オモテ検査でB型またはAB型と誤判定される可能性があります。しかし、これはオモテ検査での凝集反応に影響し、ウラ検査の抗体反応には直接影響しません。ウラ検査でO型と出る原因にはなりません。正しくは:後天性B抗原はオモテ検査のB型判定に関与するが、ウラ検査でO型と判定される原因ではない。選びやすい理由:オモテ検査の誤判定に関わる要因として知識があれば選びやすい。混同注意:ABO不適合の様々な例外パターンと混同しやすい。
- 2. 正解。寒冷凝集素は低温で赤血球に反応する自己抗体で、特にO型赤血球と反応しやすいため、ウラ検査で自身の赤血球やO型検査用血球と非特異的に反応し、抗A抗体や抗B抗体が存在しないにもかかわらず凝集を引き起こすことがあります。これにより、O型と判定されるべき患者の血漿中に抗A抗体や抗B抗体が存在しない、または弱まっているにも関わらず、非特異的な凝集で抗体があるかのように見えたり、あるいは自己凝集で判定が困難になったりして、結果的にウラ検査の判定を混乱させ、誤ってO型と解釈される原因となりえます(特に自己血球との反応やO型指示薬との反応)。また、オモテ検査でも自己凝集を引き起こし、B型と誤判定させる可能性があります。
- 3. 正解。不規則抗体(特に寒冷凝集素のように低温で反応するもの)が血漿中に存在すると、ウラ検査で検査用のA型血球やB型血球と非特異的に反応し、本来ないはずの凝集を引き起こすことがあります。これにより、抗A抗体や抗B抗体がないにもかかわらず凝集が見られ、型判定が困難になるか、誤ってO型と判定される原因となる可能性があります。例えば、抗M抗体や抗N抗体などの低温反応性不規則抗体がウラ検査の指示薬赤血球と反応することがあります。
- 4. 無ガンマグロブリン血症は、血漿中の免疫グロブリンが著しく低下する状態です。これにより、抗A抗体や抗B抗体といった自然抗体も産生されにくくなるため、ウラ検査で本来あるべき凝集反応が弱まるか、全く見られなくなる原因となります。結果として、O型であれば抗A抗体と抗B抗体があるはずなのにそれらが見られず、A型やB型、AB型と誤判定される可能性はありますが、ウラ検査でO型と判定される原因には直接なりません。正しくは:無ガンマグロブリン血症はウラ検査で抗体が欠損するため、O型以外の型をO型と誤認させる原因にはならない。選びやすい理由:ウラ検査の異常として知識があれば選びやすい。混同注意:ウラ検査での凝集が「弱い」または「ない」場合の原因と混同しやすい。
- 5. 直接抗グロブリン試験(DAT)が陽性であるということは、赤血球表面に免疫グロブリンや補体が結合している状態を示します。これは主に溶血性貧血などで見られ、オモテ検査で自己凝集やファン現象を引き起こし、型判定を困難にする可能性があります。しかし、これは血球側の問題であり、ウラ検査の血漿中の抗体反応には直接影響しません。正しくは:DAT陽性はオモテ検査に影響するが、ウラ検査でO型と判定される原因ではない。選びやすい理由:オモテ検査の異常として知識があれば選びやすい。混同注意:ABO不適合や自己免疫性溶血性貧血などの状況と混同しやすい。
国試ポイント
ABO式血液型検査のオモテ検査とウラ検査の矛盾について、その原因となる具体的な疾患や因子を理解しているか問う問題です。特に、寒冷凝集素や不規則抗体がウラ検査に与える影響を正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
後天性B抗原や無ガンマグロブリン血症、直接抗グロブリン試験陽性などもABO型判定の異常原因として知られていますが、これらは提示された「オモテB型、ウラO型」という特定の矛盾パターンには合致しません。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まずオモテ検査とウラ検査のどちらに異常が出ているのか、そしてそれが「凝集が強い/弱い/ない」のどのパターンに当てはまるのかを冷静に判断し、それぞれのパターンに合致する原因を想起できるようにすることが重要です。特に、寒冷凝集素や不規則抗体は両方の検査に影響を与える可能性があるため、その特性を理解しておくべきです。
関連知識
ABO不適合輸血反応、自己免疫性溶血性貧血、混合視野凝集、亜型、シスAB型、後天性B抗原、汎凝集原など、ABO式血液型検査の例外や注意点を幅広く学習することが求められます。