光学顕微鏡について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
像の明るさは、対物レンズの開口数(NA)の二乗に比例するという光学の基本原理に基づいています。開口数が大きいほどより多くの光を集めることができ、その結果、像は明るくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 開口数(NA)と分解能は正の相関関係にあります。開口数が大きいほど、より細かな構造を識別できるようになり、分解能は高まります。正しくは:開口数が大きいほど、観察像の分解能は高くなります。選びやすい理由:光学系の物理的な概念に不慣れだと、開口数と分解能の関係を混同しやすいです。混同注意:開口数と分解能の関係(正比例)を、倍率と分解能の関係と混同することがあります。
- 2. 尿沈渣のような低コントラストの標本を観察する際は、コントラストを高めるためにコンデンサをやや下げ、絞りを適切に調整して斜光照明を用いるのが一般的です。コンデンサを上げきると明るすぎてコントラストが低下し、観察しにくくなります。正しくは:尿沈渣の観察では、コンデンサをやや下げ、絞りを調整して行います。選びやすい理由:明るさを確保するためにコンデンサを上げるという発想は、ある程度は正しいですが、尿沈渣のような特殊な検体には当てはまりません。混同注意:明るさ調整とコントラスト調整の区別、また、検体の種類に応じたコンデンサと絞りの適切な使い分けと混同しやすいです。
- 3. 正解。像の明るさは、対物レンズの開口数(NA)の二乗に比例します。これは、開口数によって集光できる光の量が決まるためです。開口数が大きくなると、より多くの光を集めることができ、像が明るくなります。正しくは:正解のため修正は不要です。選びやすい理由:物理的な光学原理を理解していないと、この関係性を推測するのは難しいかもしれません。しかし、直接的な知識として覚えるべき重要事項です。混同注意:開口数と分解能、開口数と焦点深度、開口数と明るさの関係を混同することがあります。
- 4. 総合倍率は、接眼レンズの倍率と対物レンズの倍率を掛け合わせた値で求められます。足し算ではありません。正しくは:顕微鏡の総合倍率は、接眼レンズと対物レンズの倍率を掛け合わせた値で示されます。選びやすい理由:倍率の計算方法として、足し算と掛け算のどちらかを選ぶことになるため、知識が曖昧だと誤った選択肢を選びやすいです。混同注意:総合倍率の計算方法(積)と、単一のレンズ倍率の概念と混同しやすいです。
- 5. 実視野の直径は、「接眼レンズの視野数 ÷ 対物レンズの倍率」で計算されます。掛け算ではなく割り算です。正しくは:実視野の直径は、接眼レンズの視野数と対物レンズの倍率で割って計算されます。選びやすい理由:実視野の計算式は、総合倍率の計算式と並んで覚え間違いしやすい項目です。積と商のどちらを使うかを混同しやすいです。混同注意:実視野の計算方法(商)と、総合倍率の計算方法(積)を混同しやすいです。
国試ポイント
光学顕微鏡の基本的な構造と機能、特に倍率、分解能、視野、明るさといった主要な光学特性に関する知識が問われています。開口数とこれら特性の関係性が頻出です。
混同注意
開口数と分解能、開口数と明るさ、総合倍率と実視野の計算方法(積と商)がそれぞれ混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、開口数と分解能、開口数と像の明るさの関係性、総合倍率と実視野の計算式を正確に理解しているかを確認します。特に、比例関係と計算式の演算子(積か商か)に注意を払うべきです。
関連知識
光学顕微鏡の各構成要素(光源、コンデンサ、絞り、対物レンズ、接眼レンズ)の役割、分解能の概念(アッベの回折限界)、様々な観察法(明視野、暗視野、位相差など)における調整方法。