PCR法で使用しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
PCR法の基本的な構成要素を理解しているかを問う問題です。PCRには、鋳型DNA、プライマー、耐熱性DNAポリメラーゼ、dNTPs、およびDNAポリメラーゼの活性化に必要なマグネシウムイオンなどのバッファー成分が必要です。制限酵素はDNAを切断する酵素であり、PCRによるDNA増幅には直接使用されません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。制限酵素はDNAを特定の認識配列で切断する酵素であり、PCR法においてはDNAの増幅反応には直接関与しません。主に遺伝子クローニングや制限酵素断片長多型(RFLP)解析などで使用されます。正しくは:PCR法には使用せず、遺伝子クローニングやRFLP解析などに使用される。選びやすい理由:遺伝子工学の分野でよく使われる酵素なので、関連があるように感じやすいかもしれない。混同注意:PCR後の遺伝子断片をさらに処理する際に使用されることがあるため、PCRそのものに必要と誤解されやすい。
- 2. プライマーは、PCRにおいて増幅したいDNA領域の開始点と終点に相補的に結合し、DNAポリメラーゼが新しいDNA鎖を合成するための足がかりとなる短いDNA断片です。PCRには不可欠な要素です。
- 3. マグネシウムイオンは、DNAポリメラーゼの補因子として機能し、酵素活性の発現に必要不可欠です。PCR反応液中の適切な濃度がDNA合成効率に大きく影響します。
- 4. PCRは高温での変性過程を含むため、熱に耐えうるDNAポリメラーゼ(例: Taqポリメラーゼ)が必要です。これにより、各サイクルで酵素が失活することなく、繰り返しDNA合成を行うことができます。
- 5. デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP, dCTP, dGTP, dTTP)は、新しいDNA鎖を合成するための材料(基質)となります。DNAポリメラーゼはこれらを利用してプライマーを伸長させます。
国試ポイント
PCR法の基本原理と構成要素に関する知識が問われます。特に、それぞれの試薬や因子の役割を正確に理解していることが重要です。類似の酵素や分子と混同しないよう注意が必要です。
混同注意
制限酵素は遺伝子操作でよく用いられるため、PCRのような分子生物学的手法全般に関係すると誤解されやすい。DNAリガーゼや逆転写酵素など、他の遺伝子操作酵素との違いも整理しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
PCRの応用に関する問題や、リアルタイムPCRなどの発展的なPCR手法の原理を問う問題が出題される可能性があります。また、PCRの失敗原因に関する問題も考えられます。
関連知識
PCRの3つのステップ(変性、アニーリング、伸長)、耐熱性DNAポリメラーゼの発見とPCRへの応用、PCRの応用例(遺伝子診断、病原体検出、法医学など)。