真菌について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Exophiala dermatitidisは、細胞壁にメラニン様色素を持つ黒色真菌(dematiaceous fungi)の一種であり、培養すると特徴的な黒色または暗褐色のコロニーを形成します。これは重要な同定ポイントです。
選択肢ごとの解説
- 1. Aspergillus属の主要な感染形態は、空気中に浮遊する微細な分生子(約2~3μm)です。これらの分生子が肺胞に到達し、感染を引き起こします。大きい分生子を形成するのは、Coccidioides immitisなどの一部の真菌です。正しくは:Aspergillus fumigatusは微細な分生子を形成します。選びやすい理由:Aspergillus属が分生子を形成することは正しい情報なので、サイズの記載を見落とすと正しいと誤認しやすいです。混同注意:他の真菌(例: Coccidioides immitis)が形成する比較的大きな分生子と混同する可能性があります。
- 2. Candida glabrataは酵母型真菌であり、仮性菌糸や真菌糸をほとんど形成しません。出芽による増殖が主な特徴です。仮性菌糸を形成するのはCandida albicansなど、多くのカンジダ属ですが、C. glabrataは例外です。正しくは:Candida glabrataは仮性菌糸をほとんど形成しません。選びやすい理由:Candida属の多くが仮性菌糸を形成するため、C. glabrataもそうであると推測しやすいです。混同注意:Candida albicansをはじめとする、他のカンジダ属真菌の一般的な形態的特徴と混同しやすいです。
- 3. Cryptococcus neoformansは、出芽酵母型真菌であり、莢膜(capsule)を持つことが特徴ですが、厚膜胞子(chlamydospore)は形成しません。厚膜胞子を形成するのはCandida albicansなどです。正しくは:Cryptococcus neoformansは厚膜胞子を形成しません。代わりに莢膜を持ちます。選びやすい理由:真菌が様々な胞子を形成するという知識から、C. neoformansも何らかの胞子を形成すると考え、厚膜胞子に結びつけてしまう可能性があります。混同注意:Candida albicansが形成する厚膜胞子や、Cryptococcus neoformansが持つ特徴的な莢膜と混同しやすいです。
- 4. 正解。Exophiala dermatitidisは、黒色真菌(dematiaceous fungi)の一種であり、培養すると黒色または暗褐色のコロニーを形成することが特徴です。これは細胞壁にメラニン様色素を持つためです。正しくは:正解のため修正不要。選びやすい理由:この知識がないと正誤判断が難しいですが、真菌の形態や色素産生に関する知識は重要です。混同注意:他の黒色真菌(例:Alternaria属、Cladosporium属)と混同する可能性がありますが、いずれも黒色コロニーを形成する点で共通しています。
- 5. Mucor属は接合菌類(Zygomycetes)に属し、特徴として隔壁のない(無隔壁)または隔壁が不明瞭な菌糸を形成します。これは他の真菌群(子嚢菌類や担子菌類)の有隔壁菌糸とは異なります。正しくは:Mucor属の菌糸には隔壁がありません。選びやすい理由:多くの真菌が隔壁を持つ菌糸を形成するため、Mucor属もそうであると誤認しやすいです。混同注意:Aspergillus属やPenicillium属といった、隔壁を持つ菌糸を形成する一般的な真菌と混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、主要な病原真菌の形態学的特徴、特に菌糸の有無、隔壁の有無、特定の構造(分生子、仮性菌糸、厚膜胞子、莢膜など)、およびコロニーの色について正確な知識を問うています。個々の真菌が持つユニークな特徴を理解しているかが重要です。
混同注意
真菌の分類群によって菌糸の形態(有隔壁/無隔壁)、形成する胞子の種類(分生子、厚膜胞子、芽生胞子など)、および特定の構造(莢膜、仮性菌糸)が異なるため、これらの特徴が混同されやすいです。特に、カンジダ属やアスペルギルス属のような頻出真菌の異同は重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、各真菌の主要な形態的特徴(酵母型か糸状菌型か、菌糸の隔壁の有無、特徴的な胞子や構造の形成)と、それによって引き起こされる疾患(深在性真菌症、表在性真菌症など)を結びつけて理解できているかを確認します。
関連知識
黒色真菌には、Exophiala dermatitidisの他に、Alternaria属、Cladosporium属、Phialophora属などがあります。これらはすべてメラニンを産生し、黒色コロニーを形成します。無隔壁菌糸を持つ接合菌類には、Mucor属の他にRhizopus属、Absidia属などがあります。これらの真菌は特徴的な形態を持つため、顕微鏡検査での鑑別ポイントとなります。