個人情報に該当しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
個人情報保護法において『個人情報』とは、特定の個人を識別できる情報、または他の情報と容易に照合でき、それにより特定の個人を識別できる情報を指します。検体番号単独では、それだけでは個人を特定できません。多くの病院では、検体番号と患者情報を紐づけるシステムがありますが、番号自体が直接個人を示すわけではありません。一方、診察カード、検査依頼書、検査報告書には、氏名、生年月日、病名などが含まれるため、明確に個人情報に該当します。検査済みの血液は物質そのものであり直接的な『情報』ではありませんが、そこから得られる情報は個人情報になり得ますし、通常は患者情報と紐付けられているため、実質的には個人情報と密接に関連します。この設問では、純粋に『個人情報』として見なされないものを問うているため、検体番号が最も適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。検体番号単独では、特定の個人を直接識別できる情報ではありません。匿名化されているか、他の情報と容易に照合できない限り、個人情報には該当しません。病院ごとに採番ルールが異なることもあり、一般的には個人情報保護法の対象外とされます。
- 2. 診察カードには、患者の名前、ID、生年月日などが記載されており、特定の個人を直接識別できるため、個人情報に該当します。正しくは:診察カードは氏名、ID等が含まれるため個人情報に該当します。選びやすい理由:カード自体は物であり、情報ではないと誤解するかもしれませんが、その内容が個人を識別するため個人情報です。混同注意:『物』と『情報』の区別。カードに記載された情報が個人情報であると理解する必要があります。
- 3. 検査依頼書には、患者の名前、生年月日、性別、病名、依頼医師名などが記載されており、特定の個人を直接識別できるため、個人情報に該当します。正しくは:検査依頼書は患者の氏名や疾患情報等が含まれるため個人情報に該当します。選びやすい理由:病院内で使用する内部資料のため、外部に漏れない限り問題ないと誤解するかもしれません。しかし、法的な定義では内部資料であっても個人情報です。混同注意:『外部への公開』と『個人情報としての取り扱い』を混同しやすいです。院内利用であっても個人情報保護の対象です。
- 4. 検査報告書には、患者の名前、検査結果、診断に関する情報などが含まれており、特定の個人を直接識別できるため、個人情報に該当します。正しくは:検査報告書は患者の氏名、検査結果等が含まれるため個人情報に該当します。選びやすい理由:医療従事者向けの専門的な内容のため、一般には理解しにくい情報であり、個人情報ではないと誤解するかもしれません。しかし、内容が個人と結びつくため個人情報です。混同注意:『情報の難解さ』と『個人情報であるか』を混同しやすいです。内容の難易度に関わらず、個人を識別できれば個人情報です。
- 5. 検査済みの血液そのものは「情報」ではありません。しかし、その血液が『個人情報と紐づくIDなど』と関連付けられている場合、その血液から得られる情報は個人情報となります。単に『血液』とある場合は、個人情報保護法の直接的な対象となる『情報』ではなく、『個人情報である情報源』となり得ます。ここでは「個人情報に該当しないのはどれか」という問いに対して、物質そのものとして捉えると個人情報とは異なるため、議論の余地はありますが、選択肢の中では検体番号が最も直接的に「個人情報に該当しない」と判断できます。正しくは:検査済みの血液は物質そのものであり、直接的な『情報』ではありません。しかし、そこから得られる遺伝子情報などは個人情報に該当する可能性があります。また、通常は検体番号等で個人と紐づけられているため、間接的に個人情報と関連します。選びやすい理由:血液そのものが情報ではないため、個人情報ではないと判断しがちですが、血液から得られる情報(DNA、疾患情報など)は個人情報になり得ます。また、通常は患者情報と紐付けられています。混同注意:『物質そのもの』と『物質から得られる情報』の区別。血液そのものは情報ではないが、それに付随する情報や、そこから引き出せる情報が個人情報となりえます。
国試ポイント
この問題は、個人情報保護法における『個人情報』の定義を正しく理解しているかを問うています。特に、直接的に個人を識別できる情報と、そうでないものの区別が重要です。臨床検査技師として、患者情報を取り扱う上で、どの情報が個人情報に該当し、どのように保護すべきかを把握していることが求められます。
混同注意
『識別符号』と『個人情報』。検体番号は識別のための符号ですが、それ単独では個人情報とならない点がポイントです。氏名や生年月日といった直接的な識別情報と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、まず「その情報単独で、特定の個人を特定できるか?」を考えます。できなければ、次に「他の情報と容易に照合することで、個人を特定できるか?」を検討します。特に、臨床現場で使われるIDやコード類については、その特性を理解することが重要です。
関連知識
個人情報保護法、医療情報の匿名化、インフォームドコンセント、バイオバンクにおける試料の取り扱い、医療従事者の守秘義務。