不規則抗体同定検査の間接抗グロブリン試験(試験管法)と直接抗グロブリン試験(試験管法)の両方に使用されるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
直接抗グロブリン試験は被検者の赤血球に結合している抗体を検出する検査なので、被検者の赤血球を用います。不規則抗体同定検査の間接抗グロブリン試験でも、自己対照として被検者の赤血球を用います。また、どちらの試験管法でも、陰性と判定した試験管にIgG感作赤血球を加えて凝集を確認し、抗グロブリン試薬が有効に働いたことを確かめます(公式正答4・5)。
選択肢ごとの解説
- 1. ブロメリンは酵素処理赤血球を作成するために使用される試薬であり、主に不規則抗体の検出感度向上や、間接抗グロブリン試験の補助手段として用いられます。直接抗グロブリン試験では通常使用されません。正しくは:ブロメリンは、主に不規則抗体の検出感度向上や、間接抗グロブリン試験の補助手段として用いられる酵素です。選びやすい理由:不規則抗体検査に関連する試薬であるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:他の酵素処理法(パパイン、フィシンなど)や、不規則抗体スクリーニング・同定検査における試薬全般と混同する可能性があります。
- 2. パネル赤血球は、既知の抗原パターンを持つ赤血球であり、不規則抗体同定検査(間接抗グロブリン試験)において、検出された不規則抗体の特異性を決定するために使用されます。直接抗グロブリン試験では、患者の赤血球表面に結合している抗体を直接検出するため、パネル赤血球は使用しません。正しくは:パネル赤血球は、不規則抗体同定検査(間接抗グロブリン試験)でのみ使用されます。選びやすい理由:「不規則抗体同定検査」というキーワードから、パネル赤血球を連想しやすいですが、間接抗グロブリン試験限定です。混同注意:不規則抗体スクリーニング用赤血球(スクリーニングセル)や、直接抗グロブリン試験で用いられる患者の赤血球と混同する可能性があります。
- 3. 被検者の血清は、不規則抗体同定検査(間接抗グロブリン試験)において、患者の血清中に存在する不規則抗体を検出するために使用されます。しかし、直接抗グロブリン試験は、患者の赤血球表面に既に結合している抗体を検出する検査であり、血清は使用しません。正しくは:被検者の血清は、間接抗グロブリン試験でのみ使用されます。選びやすい理由:「被検者の」という言葉から、両方の検査で用いられるように思えるかもしれません。また、間接抗グロブリン試験の主要な検体であるため、選択肢として選びやすいです。混同注意:間接抗グロブリン試験での主要検体である血清と、直接抗グロブリン試験で用いられる赤血球(凝集の有無を見る対象)を混同する可能性があります。
- 4. 正解。IgG感作赤血球は、間接・直接抗グロブリン試験のいずれでも、陰性と判定した試験管に加えて凝集することを確かめ、抗グロブリン試薬が有効に働いたことを確認するために用います。混同注意:単なる赤血球や、特定の抗体と反応する感作赤血球全般と混同する可能性があります。
- 5. 正解。直接抗グロブリン試験では被検者の赤血球そのものが検体です。不規則抗体同定検査の間接抗グロブリン試験でも、被検者の血清と被検者自身の赤血球を反応させる自己対照に用います。混同注意:パネル赤血球やスクリーニング赤血球など、他の検査用赤血球と混同する可能性があります。
国試ポイント
間接抗グロブリン試験と直接抗グロブリン試験の原理、特に0試験管法という共通の操作で用いられる試薬・検体について理解しているかを問う問題です。各試薬や検体がそれぞれの検査でどのような役割を持つかを正確に区別できるかが重要となります。
混同注意
各試薬・検体が「不規則抗体同定検査」「間接抗グロブリン試験」「直接抗グロブリン試験」のどのステップで使われるか、その役割が混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、各抗グロブリン試験における『陽性対照』『陰性対照』『検査対象』が何か、そしてそれぞれの検査の『目的』と『原理』を明確に区別できているかを確認する必要があります。
関連知識
抗グロブリン試験の原理(クームス試験)、不規則抗体スクリーニングと同定のフロー、交差適合試験(クロスマッチ)、血液型検査における抗体検出法。