採取後室温で長時間放置された尿で上昇するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
尿を室温で長時間放置すると、尿中に存在する細菌が尿素を分解し、アンモニアを産生します。このアンモニアの増加により、尿のpHは酸性からアルカリ性へと上昇します。一方、ケトン体、ブドウ糖、ビリルビン、ウロビリノゲンなどは、細菌による分解や酸化、揮発などにより減少します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。尿を室温で長時間放置すると、尿中の細菌が増殖し、尿素をアンモニアに分解します。このアンモニアの生成により、尿のpHがアルカリ性へと上昇します。
- 2. ケトン体(アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸)は揮発性や不安定性を持つため、室温で放置すると分解・消失し、測定値は減少します。正しくは:ケトン体は減少する選びやすい理由:尿の成分変化全般を混同していると誤答しやすい。混同注意:他の不安定な成分(ビリルビンなど)と同様に減少することを理解している必要がある。
- 3. 尿中のブドウ糖は、細菌の代謝によって消費されるため、室温で放置すると減少します。正しくは:ブドウ糖は減少する選びやすい理由:尿の成分変化全般を混同していると誤答しやすい。混同注意:血糖値の増加など、血液中のブドウ糖の変化と混同する可能性。尿中ブドウ糖は細菌によって消費されるという点を理解すること。
- 4. ビリルビンは光や室温によって酸化・分解されやすいため、室温で長時間放置すると測定値は減少します。正しくは:ビリルビンは減少する選びやすい理由:尿の成分変化全般を混同していると誤答しやすい。混同注意:ウロビリノゲンとビリルビンの安定性の違いや、光の影響を受けやすい成分であることを混同する可能性。
- 5. ウロビリノゲンは光や空気(酸化)に不安定であり、室温で長時間放置するとウロビリンなどに酸化され、測定値は減少します。正しくは:ウロビリノゲンは減少する選びやすい理由:尿の成分変化全般を混同していると誤答しやすい。混同注意:ビリルビンとウロビリノゲンはともに減少傾向を示すが、それぞれの分解経路が異なる点を理解すること。
国試ポイント
尿検体の適切な取り扱いと保存条件が、検査結果に与える影響を理解しているか問う問題です。特に、室温放置による各成分の変化(増加するもの、減少するもの)を正確に把握している必要があります。
混同注意
尿中成分の安定性や分解経路について、増加するものと減少するものを混同しやすい。特に、細菌の増殖による変化(pH上昇、ブドウ糖減少)と、化学的な不安定性による変化(ケトン体、ビリルビン、ウロビリノゲン減少)を区別することが重要。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、尿検体の保存条件(冷蔵、遮光など)と、それによって変化する他の項目(細胞成分の変性、亜硝酸の生成など)について問われる可能性があります。また、血液検体やその他の体液検体の保存条件と変化についても確認が必要です。
関連知識
尿pHの生理的変動要因(食事、疾患など)、尿中ケトン体・ブドウ糖・ビリルビン・ウロビリノゲンが検出される疾患、尿検体の正しい保存方法(冷蔵保存など)。