磁場を起電力に変換するトランスデューサはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ホール素子は、ホール効果を利用して磁場を電圧に変換するセンサです。半導体に電流を流し、これに垂直な磁場を印加すると、電流と磁場の両方に垂直な方向に電圧(ホール電圧)が発生します。このホール電圧は磁場の強さに比例するため、磁場を電気信号として検出するのに用いられます。他の選択肢の素子は、それぞれ歪み、変位、温度、圧力など異なる物理量を検出するものです。
選択肢ごとの解説
- 1. ストレンゲージは、物体の歪み(ひずみ)による電気抵抗の変化を利用して、力や圧力、変位などを検出する素子です。磁場の検出には用いられません。正しくは:歪みによる電気抵抗の変化を利用する。選びやすい理由:様々な物理量を電気信号に変換するトランスデューサの一つであるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:ひずみゲージという別名も持つため、用途のイメージが曖昧だと誤解しやすいです。
- 2. 差動トランスは、変位(位置の変化)を検出する際に用いられる素子です。可動鉄心の位置によってコイル間の相互誘導が変化することを利用し、変位に応じた電圧を出力します。磁場の検出には不適切です。正しくは:変位を検出する。選びやすい理由:トランスという名称から電磁気的な作用を連想させますが、磁場そのものを検出するものではありません。混同注意:誘導結合の原理を用いるため、磁場を利用しているように感じやすいですが、あくまで変位検出が主な目的です。
- 3. 正解。ホール素子は、ホール効果という現象を利用して磁場の強さを電気信号(ホール電圧)に変換するトランスデューサです。半導体に電流を流した状態で垂直に磁場を印加すると、電流と磁場に垂直な方向に電圧(ホール電圧)が発生します。このホール電圧の大きさが磁場の強さに比例するため、磁場センサとして広く利用されます。選びやすい理由:磁場を検出する素子として代表的であり、原理を理解していれば正答を選びやすいです。
- 4. サーミスタは、温度の変化によって電気抵抗値が大きく変化する半導体素子です。主に温度センサとして使用され、磁場の検出には適しません。正しくは:温度の変化による電気抵抗の変化を利用する。選びやすい理由:抵抗値の変化を利用する点で、ストレンゲージと混同しやすいかもしれません。しかし、検出する物理量が異なります。混同注意:NTC(負の温度係数)サーミスタやPTC(正の温度係数)サーミスタなど、温度特性によって種類がある点も知識として重要ですが、磁場とは無関係です。
- 5. 圧電素子は、圧電効果(圧力や歪みなどの機械的な力を加えることで電圧が発生する現象、または電圧を加えることで機械的な変形が生じる現象)を利用する素子です。力や振動、音波などを検出・発生させるために使われますが、磁場を直接検出するものではありません。正しくは:圧力や歪みなどの機械的な力を電気信号に変換する。選びやすい理由:超音波診断装置など、医療分野で広く利用されるため、関連性があるように感じやすいですが、原理は異なります。混同注意:音波(圧力波)の検出に使われるため、電磁波と混同しやすいですが、これらは異なる物理現象です。
国試ポイント
医療機器や生体計測において使用される様々なトランスデューサ(変換器)の基本原理と、それがどのような物理量を検出するのかを正確に理解しているかを問う問題です。特にホール素子は磁気関連の測定で頻出の概念です。
混同注意
各トランスデューサが「何を」「どのような原理で」検出するのかが混同しやすいです。特に、電気信号への変換という共通点があるため、個々の素子の特有の物理量変換原理を正確に記憶しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず「何(物理量)」を「何に(電気信号)」変換するのかに着目し、それぞれのトランスデューサが利用する物理現象(例:ホール効果、圧電効果、抵抗変化など)を想起して判断します。
関連知識
ホール効果(定義、原理)、各種トランスデューサ(ストレンゲージ、差動トランス、サーミスタ、圧電素子)の基本原理と用途。磁気共鳴画像法(MRI)など、磁場を利用する医療機器の原理の一部にも関連します。