血中半減期が最も短いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
血中の酵素の半減期は、その酵素の分子量、組織での分布、代謝経路、排泄経路(特に腎排泄の有無)などによって大きく異なります。アミラーゼは分子量が比較的小さく、腎臓から効率的に排泄されるため、他の主要な臨床検査酵素と比較して血中半減期が最も短い特徴があります。このため、急性膵炎などの病態において、症状発現後比較的早期に上昇し、かつ速やかに正常値に戻る傾向があるため、病態の推移を評価する上で重要な指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. ALTの血中半減期は比較的長く、およそ47〜60時間です。正しくは:ALTの血中半減期は47〜60時間程度であり、AMYよりも長い。選びやすい理由:肝逸脱酵素として頻繁に測定されるため、なじみがあることで選んでしまいがちです。混同注意:ASTやLDのような他の主要な逸脱酵素と半減期が混同されることがあります。
- 2. 正解。アミラーゼは比較的分子量が小さく、腎臓から速やかに排泄されるため、血中半減期が約2〜5時間と、提示された選択肢の中で最も短いです。そのため、急性膵炎などの診断において、急激な変動を捉える指標として有用です。
- 3. ASTの血中半減期はALTよりは短いものの、およそ17〜20時間とAMYよりは長いです。正しくは:ASTの血中半減期は17〜20時間程度であり、AMYよりも長い。選びやすい理由:ALTと同様に肝逸脱酵素として有名であり、同時に測定されることが多いため、半減期も似ていると誤解されやすいです。混同注意:ALTの半減期と混同したり、CKやLDのような他の酵素と比較して相対的な長さを誤って判断することがあります。
- 4. CKの血中半減期はアイソザイムによって多少異なりますが、一般的には約12〜24時間であり、AMYよりは長いです。正しくは:CKの血中半減期は12〜24時間程度であり、AMYよりも長い。選びやすい理由:心筋梗塞などで急激に上昇する酵素であるため、すぐに消失するイメージを持つかもしれませんが、AMYほど短くはありません。混同注意:他の心筋逸脱酵素(トロポニンなど)や、筋肉損傷時の他のマーカーと混同して、消失速度を誤解することがあります。
- 5. LDの血中半減期は非常に長く、およそ80〜120時間とされています。これは選択肢の中で最も長い半減期です。正しくは:LDの血中半減期は80〜120時間程度であり、AMYよりもはるかに長い。選びやすい理由:様々な組織に存在する汎用的な酵素であるため、特定の疾患と結びつきにくいことから、半減期も覚えにくいと感じるかもしれません。混同注意:LDのアイソザイム(LD1, LD2など)の違いと、それぞれの半減期が混同されることがあります。
国試ポイント
臨床検査で頻繁に測定される主要な酵素(逸脱酵素、臓器特異的酵素など)について、それぞれの生理学的特徴(組織分布、半減期、診断的意義など)を正確に理解しているかを問う問題です。特に半減期は、病態の急性期診断や治療効果判定において重要な情報源となるため、よく出題されます。
混同注意
各酵素の半減期の具体的な数値だけでなく、どの酵素が短く、どの酵素が長いのかという相対的な関係性が混同されやすいポイントです。また、半減期と上昇ピーク時間、正常化までの時間が混同されることもあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な酵素(ALT, AST, CK, LD, AMY, ALP, γ-GTPなど)について、①主な臓器分布、②逸脱酵素か誘導酵素か、③血中半減期(短いもの、長いもの)、④主な診断的意義、⑤アイソザイムの有無とその意義、といった項目を網羅的に確認すると良いでしょう。
関連知識
血中酵素の半減期は、疾患の急性期診断だけでなく、治療介入後の回復状況や再燃の有無を評価する際にも重要です。例えば、急性心筋梗塞ではCKやLDのアイソザイムが経時的に測定され、その半減期の違いが病態の評価に利用されます。また、腎機能が低下している患者では、腎排泄型酵素の半減期が延長する可能性があることにも注意が必要です。