LDアイソザイムで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
LD(乳酸脱水素酵素)は、生体のほぼ全ての組織に存在する酵素であり、組織の損傷が起こると血中濃度が上昇する逸脱酵素です。特に肝臓にも多く分布しており、肝細胞の破壊や炎症性疾患(急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変など)では、細胞から血中へのLD逸脱が増加するため、血中LD活性が上昇します。そのため、肝疾患の指標の一つとして用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. LDはMサブユニットとHサブユニットの2種類のサブユニットが4つ組み合わさって形成される四量体(テトラマー)である。正しくは:LDは四量体の構造を持つ。選びやすい理由:酵素の中にはクレアチンキナーゼ(CK)のように二量体構造を持つものもあり、混同しやすい。混同注意:他の酵素の分子構造、特にCKなどの二量体酵素。
- 2. LD、特にLD4やLD5は冷蔵(4℃)で不安定であり、活性が低下しやすい性質(冷所不安定性)がある。低温で酵素分子の解離が起こりやすいため、血清は室温または凍結保存が推奨される。正しくは:LDは室温または凍結保存が推奨される。選びやすい理由:多くの臨床検査項目は冷蔵で安定性が保たれるため、一般的な保存方法として正しいと誤解しやすい。混同注意:大部分の生化学検査項目が冷蔵保存で安定であるという一般的な知識。
- 3. 正解。LD5は肝臓や骨格筋に多いアイソザイムで、肝細胞障害のある肝疾患で上昇します。
- 4. 血中LDの半減期は、一般的に数日間(例えば約70〜140時間、つまり3〜6日)とされており、8時間よりもはるかに長い。8時間という半減期は、CK-MBなどの他の酵素の半減期に近い。正しくは:LDの半減期は数日程度である。選びやすい理由:具体的な数値が提示されているため、知っていると正しいと誤認しやすい。他の酵素の半減期と混同する可能性がある。混同注意:クレアチンキナーゼ(CK)のアイソザイム、特にCK-MBの半減期(約8〜12時間)。
- 5. LDはHサブユニットとMサブユニットの**2種類**のサブユニットから構成されている。これらの2種類のサブユニットが4つ組み合わされることで、5種類のアイソザイム(LD1, LD2, LD3, LD4, LD5)が形成される。正しくは:LDは2種類のサブユニット(HとM)から構成され、それらが組み合わさって5種類のアイソザイムを形成する。選びやすい理由:LDに5種類のアイソザイムがあることを知っていると、サブユニットも5種類あると誤って解釈しやすい。混同注意:LDを構成するサブユニットの種類数と、その組み合わせによって生じるアイソザイムの種類数。
国試ポイント
LDの基本的な生化学的特性(分子構造、保存安定性、半減期)と、主要な臓器分布および疾患との関連性が問われることが多い。特に、アイソザイムの種類と構成、それぞれの臓器特異性、そして測定上の注意点(冷蔵不安定性や溶血の影響)が重要視される。
混同注意
LDの分子構造(二量体と四量体)、冷蔵安定性(安定な酵素と不安定な酵素)、半減期(他の酵素との比較)、サブユニットの種類数とアイソザイムの種類数、そして他の逸脱酵素(AST, ALT, CKなど)の特性と鑑別が混同しやすいポイントとなる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、LDの各アイソザイムの臓器分布と、それぞれのアイソザイムが上昇する代表的な疾患、さらにはLD測定における溶血の影響や適切な検体保存方法といった実務的な側面にも注目して学習する必要がある。
関連知識
LDアイソザイムはHサブユニットとMサブユニットの組み合わせによってLD1 (H4), LD2 (H3M1), LD3 (H2M2), LD4 (H1M3), LD5 (M4)の5種類が存在する。それぞれのアイソザイムは特定の臓器に多く分布し、疾患診断に役立つ(例: LD1は心臓・赤血球、LD5は肝臓・骨格筋)。また、LDは溶血で上昇するため、検体採取時の注意も必要である。