蛋白合成阻害作用を有するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
クラリスロマイシンはマクロライド系抗菌薬であり、細菌のリボソーム50Sサブユニットに特異的に結合し、ペプチド鎖の伸長を阻害することでタンパク質合成を抑制します。他の選択肢の抗菌薬はそれぞれ異なる作用機序を持ちます。ペニシリンGとバンコマイシンは細胞壁合成阻害薬、ポリミキシンBは細胞膜機能阻害薬、シプロフロキサシンは核酸合成阻害薬です。
選択肢ごとの解説
- 1. ペニシリンGはβ-ラクタム系抗菌薬であり、細菌の細胞壁ペプチドグリカン層の合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。正しくは:細胞壁合成阻害作用を有します。選びやすい理由:非常に一般的な抗菌薬であるため、名前はよく知られていますが、作用機序を他のものと混同する可能性があります。混同注意:他の細胞壁合成阻害薬(セファロスポリン系など)や、タンパク質合成阻害薬(マクロライド系、アミノグリコシド系など)と混同されやすいです。
- 2. バンコマイシンはグリコペプチド系抗菌薬であり、細胞壁の主要構成成分であるペプチドグリカンの生合成を初期段階で阻害します。正しくは:細胞壁合成阻害作用を有します。選びやすい理由:MRSA治療に用いられる重要な抗菌薬であり、その作用機序は頻繁に学習対象となりますが、タンパク質合成阻害と誤解されることがあります。混同注意:ペニシリンGなどのβ-ラクタム系とは異なる機序で細胞壁合成を阻害するため、同じ細胞壁合成阻害という点で共通しながらも、詳細を混同することがあります。
- 3. ポリミキシンBは細菌の細胞膜に作用し、その透過性を障害することで、細胞内容物の漏出を引き起こし抗菌作用を発揮します。正しくは:細胞膜機能を阻害する作用を有します。選びやすい理由:他の主要な抗菌薬とは異なる作用機序を持つため、知識が曖昧な場合に選択肢として迷うことがあります。混同注意:抗菌薬の五大作用機序のうち、細胞膜作用は比較的マイナーであり、他のメジャーな作用機序と混同されやすいです。
- 4. 正解。クラリスロマイシンはマクロライド系抗菌薬であり、細菌のリボソーム50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成の伸長段階を阻害することで抗菌作用を発揮します。
- 5. シプロフロキサシンはフルオロキノロン系抗菌薬であり、細菌のDNAジャイレース(トポイソメラーゼII)やトポイソメラーゼIVを阻害し、核酸(DNA)の複製や転写を妨げることで抗菌作用を発揮します。正しくは:核酸合成阻害作用を有します。選びやすい理由:幅広い抗菌スペクトルを持つ重要な抗菌薬であるため、その作用機序も学習の頻出項目ですが、タンパク質合成阻害と間違えやすいです。混同注意:DNAジャイレース阻害という特異的な作用を持つため、リボソームに作用するタンパク質合成阻害薬とは明確に区別する必要があります。
国試ポイント
抗菌薬の作用機序は、国家試験で非常に頻繁に出題される重要なポイントです。特に、どの抗菌薬が細菌のどの主要なターゲット(細胞壁、細胞膜、タンパク質合成、核酸合成)に作用するかを正確に理解しているかが問われます。具体的な薬剤名を挙げ、その作用機序を答えさせる形式が一般的です。
混同注意
抗菌薬は種類が多く、作用機序が似ているもの、あるいはまったく異なるものが混在するため混同しやすいです。特に、細胞壁合成阻害薬、タンパク質合成阻害薬、核酸合成阻害薬にはそれぞれ多くの薬剤が含まれるため、個々の薬剤名と作用機序を正確に結びつけて覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題された場合、今回はタンパク質合成阻害作用でしたが、次は「細胞壁合成を阻害するのはどれか」「核酸合成を阻害するのはどれか」といった形で、別の作用機序を問う問題が出ると予測されます。また、「2つ選べ」のように複数の正答を求める形式や、特定の薬剤についてより詳細な作用部位を問う問題になる可能性もあります。各作用機序に属する代表的な抗菌薬を複数、かつ詳細な作用部位まで含めて覚えておくことが重要です。
関連知識
抗菌薬の主要な作用機序は以下の五つに大別されます。1. 細胞壁合成阻害(ペニシリン系、セファロスポリン系、グリコペプチド系など)、2. 細胞膜機能阻害(ポリミキシン系など)、3. タンパク質合成阻害(マクロライド系、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール系など)、4. 核酸合成阻害(フルオロキノロン系、サルファ剤、リファンピシンなど)、5. 葉酸代謝阻害。これらの分類と代表的な薬剤名をセットで学習することが重要です。