下肢静脈の超音波検査で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
下肢静脈の血流速度は動脈に比べて非常に遅いです。カラードプラ法で遅い血流を適切に検出するためには、流速レンジ(PRF: Pulse Repetition Frequency)を低く設定する必要があります。流速レンジを高く設定すると、遅い血流信号はノイズとして除去されてしまい、血流が検出されなくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。下肢静脈は表層に位置し、高い分解能が必要なため、リニア型プローブ(高周波数)が主に用いられます。選びやすい理由:一般的な知識であり、誤りとは考えにくい。混同注意:コンベックス型やセクタ型など、他のプローブとの使い分け。
- 2. この記述は正しいです。圧迫法は、静脈内に血栓がないかを確認するために行われます。血栓が存在すると、静脈は圧迫しても虚脱しません。選びやすい理由:下肢静脈瘤の検査で重要な手技であるため、正しいと判断しやすい。混同注意:動脈の検査での圧迫法との違い。
- 3. この記述は正しいです。バルサルバ法は、腹圧を上げて静脈の逆流の有無や弁機能を確認するために行われる手技で、息を吸い込んだ後に強く息をこらえることで腹腔内圧を上昇させます。選びやすい理由:生理学的な知識と結びつきやすく、正しいと判断しやすい。混同注意:ミュラー法(息を吐ききった後に息を吸い込むように力を入れる)との混同。
- 4. 正解。この記述は誤りです。静脈の血流は動脈に比べて非常に遅いため、流速レンジ(PRF)を高く設定すると、遅い血流が検出されにくくなり、カラードプラ信号が描出されなくなってしまいます。下肢静脈の遅い血流を適切に描出するためには、流速レンジを低く設定する必要があります。正しくは:カラードプラ法を用いる際は、流速レンジを低く設定して血流を確認します。選びやすい理由:動脈の高速血流を見る際にはレンジを高くするため、その知識と混同しやすい。混同注意:動脈のドプラ検査での設定(高流速レンジ)と静脈のドプラ検査での設定(低流速レンジ)。
- 5. この記述は正しいです。ミルキング法は、下肢の筋肉を収縮させることで静脈血流を一時的に増大させ、逆流の有無などを評価する手技です。プローブより末梢側を圧迫・開放することで、その効果を観察します。選びやすい理由:実践的な検査手技であり、正しいと判断しやすい。混同注意:他の血流誘発手技との違い。
国試ポイント
下肢静脈超音波検査の基本的な手技とその目的、およびカラードプラ法における設定の原理を問う問題です。特に、静脈の血流特性とドプラ設定の関係を理解しているかが重要となります。
混同注意
動脈の高速血流を検出する際のドプラ設定と、静脈の低速血流を検出する際のドプラ設定。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各検査手技の目的と、超音波装置の各設定(プローブ、周波数、ゲイン、流速レンジなど)が、目的とする部位や血流速度に対して適切かどうかを判断できるかを確認します。
関連知識
超音波診断装置のプローブの種類と特徴(リニア、コンベックス、セクタ)、カラードプラ法の原理(PRF、アリアシング現象)、下肢静脈の解剖と生理、深部静脈血栓症や下肢静脈瘤の診断に必要な手技(圧迫法、バルサルバ法、ミルキング法)。