心窩部縦走査の超音波像(別冊No. 4)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
心窩部縦走査において、食道胃接合部近傍の胃は、特徴的な壁の層構造(5層構造)と内部の低エコーな内容物(液体貯留や粘膜ヒダ)を伴って描出されます。矢印で示された部位は、これらの胃の超音波像の特徴と一致するため、胃と判断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。心窩部縦走査の超音波画像で、食道胃接合部近傍に見られる胃壁の層構造と胃内容物を示す低エコー域が確認でき、矢印はこれらの特徴を持つ部位を指しているため、胃と判断できます。選びやすい理由:超音波検査では胃は内部にガスや内容物があるため様々なエコー像を示すことがあり、判断が難しい場合もあります。また、周辺臓器との位置関係から誤解しやすいです。混同注意:膵臓や肝臓といった周辺臓器と混同しやすいですが、層構造や内容物の有無、位置関係で識別します。特に肝臓は実質エコーが均一で胃とは大きく異なります。
- 2. 肝臓は通常、均一な実質エコーを持つ大きな臓器として描出されます。この画像で矢印が指す部分は、層構造と内容物を示しており、肝臓のエコー像とは異なります。肝臓は一般的にこれよりも高い位置か、より広範に描出されます。正しくは:矢印が示すのは層構造を持つ管腔臓器である胃です。肝臓は通常、より上腹部に位置し、均一な実質エコーを示します。選びやすい理由:心窩部は肝臓の左葉が位置する領域でもあるため、漠然とした知識で誤って選択する可能性があります。混同注意:胃と肝臓は隣接していることが多いため混同しやすいですが、実質エコーの均一性、層構造の有無、内容物の有無で区別します。
- 3. 膵臓は通常、胃の背側に位置し、やや均一な実質エコーを持つ臓器として描出されます。この画像で矢印が指す部分は、膵臓の特徴である実質エコーではなく、層構造と内容物を示しているため、膵臓とは異なります。正しくは:矢印が示すのは層構造を持つ管腔臓器である胃です。膵臓は胃の背側に位置し、より均一な実質エコーを示します。選びやすい理由:心窩部には膵臓も位置するため、隣接する臓器として混同しやすいです。混同注意:胃と膵臓は解剖学的に近接しているため混同しやすいですが、膵臓は実質臓器であり、層構造や内部の液体貯留は通常見られません。
- 4. 胆囊は肝臓の下面に位置し、通常は内部に胆汁を満たした洋梨状の無エコー構造として描出されます。矢印が指す部分の画像所見は、胆囊の典型的なエコー像とは異なります。正しくは:矢印が示すのは層構造を持つ管腔臓器である胃です。胆囊は肝下面に位置し、無エコーまたは低エコーの液体貯留として見られます。選びやすい理由:胆道系の疾患では胆囊が拡大して見えることがあり、その形状から他の臓器と混同する可能性もあります。混同注意:胆囊と胃は形状が異なるため区別しやすいですが、胃の幽門部近傍と混同する可能性もゼロではありません。しかし、位置関係と内部エコーが大きく異なります。
- 5. 横行結腸は通常、より下腹部に位置し、内部にガスを多く含むため、強い後方エコーを伴う不均一なエコー像を示すことが多いです。矢印が指す部分は、横行結腸の典型的なエコー像とは異なります。正しくは:矢印が示すのは層構造を持つ管腔臓器である胃です。横行結腸は消化管の一部分で、ガスの影響で不規則なエコー像を呈し、位置もより下腹部になります。選びやすい理由:消化管の一部であるため、形が似ているように感じることがあるかもしれません。混同注意:胃と大腸はどちらも消化管ですが、それぞれのエコー像や位置関係は異なります。特に胃の壁は5層構造が観察されやすいのに対し、大腸はガスの影響が強く出やすいです。
国試ポイント
超音波検査における腹部臓器の解剖学的知識と、各臓器の典型的な超音波像(特に胃の壁構造や内容物の特徴)を理解しているかが問われます。画像読影の基本的な能力が求められます。
混同注意
膵臓、肝臓の左葉、胆囊、横行結腸など、心窩部周辺に位置する他の臓器と混同しやすいため、それぞれの臓器の超音波的特徴を正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された場合、まず描出されている臓器の位置関係を確認し、その臓器固有の形態的特徴(実質臓器か管腔臓器か、壁の層構造の有無、内部エコーの均一性、内容物の有無など)と照らし合わせて判断します。
関連知識
・胃の超音波5層構造(内腔側から高エコー、低エコー、高エコー、低エコー、高エコー) ・各臓器の解剖学的位置関係 ・消化管の超音波検査における描出法と評価ポイント ・正常な臓器のエコー像と異常時のエコー像の区別